アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2015/08/02

ディナーに呼ばれて

メキシコ人ご家族からディナーの招待があった。
だんなさんの元同僚で、私がまだだんなさんの部下だった頃、少しだけかかわったことのある人だ。

まず、ものすごい豪邸だった(画像はイメージ)。
出典: TurboSquid
最初にやられた。2年がかりで自分たちで建てたんだと言っていた。
シャンデリアが50くらいあると言っていた。
ものすごく広い庭に、妖精の像が何体も立っていて、ツボから水が流れてくる仕様になっていた。
まさにザ・豪邸。
奥さんはショッピング好きの超セクシーでかわいらしくて美人でとても世話好きな人で、すぐに好きになった。

話は日本のことになり、自分たちが小さいとき、「コメットさん」がメキシコでは知らない人がいないほどの大人気で、みんなテレビで見ていたと言っていた。
メキシコでコメットさん!

12歳の息子さんは折り紙に凝っているとかで、手裏剣の作り方を教えてほしいと言われた。
("Ninja Star" と呼んでいた。確かに。)
たまたま渡米直前に息子の友達が遊びに来て、さらにたまたまその子が手裏剣に凝っていて山のように作っていたので助かった。ものすごく尊敬された。芸は身を助く。

奥さんに「あなたはラッピングうまいんでしょ?日本人はすごかったわ」と言われて、全然できません、と言ったらびっくりされた。
彼らは日本に何度か旅行に来ていたんだけど、銀座の松坂屋に行ったら「タダで」「ものすごい速さで」「ものすごく美しく」ラッピングしてくれたことを熱心に話してくれた。
うん、あれは素晴らしいよね。私もそう思う。でも、私はできません。ごめんなさい。

他にも、日本という国は本当にユニークな文化を持っている、interesting, と言ってくれた。

だんなさんが言っていたのだが、「彼らのもてなしはアメリカ人とは違う。アメリカ人はたいてい自分たちの話したいことを話したいだけ話すけれど、彼らは客に話を合わせてくれる」。なるほど。
奥さんはしきりに「困ったときはいつでも電話して。あなたにとって役に立つと思う情報をあとで送るわ」と何度もハグしてくれた。キュートで美人でセクシーな彼女は本当に親切で、涙が出そうになった。

彼らもいろいろ苦労したんだろうな、と思う。
移民のことは、やはり移民経験者にしかわからない。
どんなに親切な人でも、言葉が不自由な外国で暮らすことが、特に移動したての人にとってどれほど困難かということは、想像力ではカバーできない。
もちろん、英語しか話せないアメリカ人が日本に来るよりは、はるかに楽だとは思う。

***

自分の意志で来た場所ではない。
でも、だんなさんが海外転勤になった時に、単身赴任してもらうという選択肢もあったものの、結局ついていくと決めたのは私の意志だ、だから自分に責任があるんだ、と思ってきた。

この記事を読んで「ああそうか!」と腑に落ちた。
早く日本に帰りたい~駐在妻とその理由・現地適応への道 | マレーシア漫画日誌~フリーランスの海外移住
「私は下見に訪れた瞬間からマレーシアという国が大好きになり、絶対にこの国に移住したいと思いました。
そのための準備、自立した生活に必要な物に向けて努力するモチベーションもありました。
しかし自分の意志による決断ではない場合、そのモチベーションが無い。
国際結婚にしても愛しているのは夫となる男性であって、夫の故郷ではない。
結果的に大きなストレス負荷がかかった時、心が崩れてしまうことになります」
確かに自分で納得して来たわけだけれど、自分で「ここに住みたい」と選択してきたわけではない。そして、「○か月後に行きたいから、それまでにこれだけ準備する」といった気持ちの準備もなかった。他者が決めた都合に自己を合わせただけなのだ。
1学期が終わるタイミングに合わせて引っ越しを決め、そこから逆算して5月末で仕事を辞めた(辞めたくなかった)。
全部自分の都合ではないのだ。
モチベーションも上がらないよね、と思った。
息子に関しては、これは100%親の都合で連れてきてしまったわけで、これに関しても、もし適応できなかったら、親の罪は深いとこれまたプレッシャーもある…

…と、暗い話ばかり続いたんだけれど、私の鬱々とした気持ちの原因がなんとなくわかったので、なんとかやっていけそうな気がしてきた。
病名がわかっただけで気持ちがすごく楽になった、という原因不明の病気に悩まされ続けていた人の手記を読んだりして、こういうのと似ているなと思った。

キュートで美人でセクシーで親切な彼女と話していて元気が出たので、次回からはなるべく明るい記事を。

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