言語の習得は一朝一夕にはいかないとはいえ、これは由々しき問題ではないかと焦り始めた。
補習校の後、仲の良い子と息子が外遊びをしていたところ、たまたま居合わせたローカルの子と一緒に何となく遊び始めた。その時一緒に遊んでいた友達は、息子とほぼ同時期に渡米してきた同じ学年の男の子である。
何となく見ていると、その男の子はローカルの子と簡単な会話を交わしていた。小学生男子なんてそもそも大した話なんてしないので英語でも大したことは言っていなかったけど、それでもちゃんと3語以上の文章でその子はしゃべっていた。
それを見て、ちょっと焦ったですよ...
個人差や環境差があるから、比較するまい、と心に決めていたし、息子にもそのことで劣等感を煽るような言動は避けてきたつもりだったけど、やはり現実を目の当たりにすると、ちょっと冷静では、いられなくてですね。
それで、私のバイブルとなっている「バイリンガル教育の方法」を読み返してみた。
会話力と関係がありそうな要因をいろいろ探ってみると、(中略)積極的に人に話しかける外交的な子どもは、英語の発話量が高くなり、無口でおとなしく、人から話しかけられるまでじっと待っていて自分からは話そうとしない内向的な子どもは、どうしても英語への発話量が低くなる。英語への接触(インプット)はあっても、発話(アウトプット)の量がどうしても少なくなるのでこれは当然な結果と言えるだろう。息子は無口でおとなしいわけじゃないが、臆病ではある。それは本人も自覚している。性格的な要因は大きいと思う。
(P.134)
正確な英語を話すようになるのにどのぐらい時間がかかるのだろうか。(中略)3年目に入るとたいていの子どもが母語話者に近づいていく。しかし(中略)3年目、4年目になっても低迷しているケースがいくつか見られる。これはまさに息子の置かれている環境である。
この子どもたちの言語環境を調べてみると、共通点として出てきたのは、日本人が集団で住んでいる住宅街に住んでいること、同じ現地校に行っている日本人の友人が多いことの2つだった。
(p.136)
渡米直後は心強いと思っていたが、逆にこれが英語力の伸びの足かせとなっているわけだ。当然と言えば当然である。
ちなみに、冒頭に出てきた息子の友だちは、現地校には日本人が一人もいないそうである。
息子本人も、最近は自分がいつまでたっても英語を流暢に話すことができなくてイライラしているようである。本当は、もっとみんなと交流したいのに、言葉ができなくてそれほど深い関係になれないのが寂しい。
その点、補習校ではその不満が満たされるのであるが、実際にはその補習校のクラスメイトもしばしば英語で会話しているのを目の当たりにし、余計に劣等感を募らせることになることもある。なかなか難しい。
親としても、日本人同士で遊ばせた方が楽だしね...
ただ、この本の中でも言っているが、英語読解力(会話ではない)の伸びと関係があるのは、まずは「子どもの年齢」と「母語での読みの力」の要因が大きいということである。具体的には渡米年齢が「7~9歳」の子どもたちの習得が一番早い。それ以上の子どもたちは期待される読解力が高いためになかなか追いつけない、という遠因があり、それ以下の子どもたちは母語でもあまり読めないうちに英語が入ってくるので、習得に時間がかかるということであった。
それに関していえば、息子はかなり有利な条件で渡米している(はず)。3年間貝に閉じこもっていた息子が、いきなり正確な文法で英会話始めるかもしれないし!
いろいろ勘案して、第二言語習得の曲線に1、2年加えて様子を見るのが現実的なのかもしれない(泣)
焦りは禁物、とにかく見守りサポートすること。
いやでも、これが難しいんだよな。
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