アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2015/08/26

小学校の説明会に出席して、日本を知る


日本人ボランティアによる日本語の説明会と、実際に息子が通う予定の小学校のオリエンテーションに行ってきた。
正直言って、

こんなんじゃわからねぇよ

というのがざっくりとした感想である。
経験してみないと何とも言えないので、詳細は実際に通ってから書こうと思う(書けないかもしれない)。


学校の新規転入生へのオリエンテーションで何をしたかというと、校長から1時間くらい話があったあと、4つくらいのグループに分かれて学校のスタッフによる校内の案内をしてもらったのみである。

日本の公立小学校に1学期だけでも通っておいて良かったと思った。
比較ができるから。
日本は本当に至れり尽くせりである。
入学前の説明会で渡された資料なんて本当に細かく書かれていたもの。
プリントいっぱいで整理がつかないよと嘆いていた自分が懐かしい。

日本とアメリカが極端すぎるんだろう。

日本の場合、とにかく資料がたくさん配られて、最初に提出しなければならないものがたくさんあったりするわけだけれど、少なくともアナログでもなんでも手元にたくさん残る。いや、残りすぎる。
アメリカは(というか少なくともBSDでは)、逆に資料がない。びっくりするくらいない。
校長から学校の説明をざっくりと受けた時使われたスライドには、けっこう重要なことが書かれていたんだけれど、配られなかった。
仕方ないのでスマホでスライドの写真を撮った。いい時代だ。
配られたのは、ボランティアのアプリケーションフォーム(申請書類)だけである。さすがだ。

何か資料がほしければ、たいていWebを見ろ、と言われる。
大事な連絡はメールで届くので、News Letter の Subscribe しろ、と言われる。
予算がそれほどないし、寄付やボランティアに頼りながら地域とともに運営するのである。
印刷なんて無駄なのだ(たぶん)。
保護者としても楽だけれど。

それと比べると、日本の学校は、少なくとも息子が3ヶ月だけ通っていた学校は、なんとアナログなことだろう。
連絡は連絡帳のみ。電話は代表電話1つしかないのでなるべく使うな、そしてメールはない。
あるかもしれないけれど、だれも見ていない。
これほどまでのIT格差ってなんなんだろう。
IT リテラシーって、これからどんどん比重が増すと思う。これに関しては、だれも異存はないと思う。
英語も大事だけれど、プログラミング言語も同じように重要度が増すと思う。
息子が就職する頃には、英語とITはマストな時代になっているだろう。

教育で戦後を乗り越えてきた日本だけれど、その教育の成功体験が足かせになっているのかもしれない。

***

もう一つ、感心したことがある。
校長の話が一通り終わって、これから校内を案内しますよ、という段になって、後ろから中国人ボランティア(保護者)が数名立ち上がって、

中国語の通訳です。Mandarin(北京語) の方いますか?

と言ったのだ。

そうしたら!

3分の1くらいの人たちがわさわさっと立ち上がって北京語ボランティアのところに集まった。
おおお、同胞パワー。

彼らの中には英語の堪能な人もいたと思うけれど、同胞コミュニティは重要である。
言語が同じというのは、海外において非常に重要だ。
校内ツアーが終わった後も、この中国人たちはしばらく情報交換していたみたいだった。

中国人はあれこれ言われているけれど、その貪欲さというかバイタリティは見事だし、それでここまで急成長したんだなということがよくわかった一面だった。
前日にあった日本人ボランティアによる説明会の時に、最近アジア人の割合が急激に伸びているのはインド人と中国人だと聞いた。
中国人は家族総出で渡米してきて、その財力で学校の近くの高級住宅をキャッシュで買い、祖父母は英語できなくても孫の世話をして家を守っているらしい。
インド人はまず優秀な子供が留学してきて卒業すると、同胞のインド人を頼って入社面接をして、もちろんパスして仕事を得、やはり家族総出で渡米してきて特定の地域にコミュニティを形成していくんだそうだ。

日本人ってあまりこういうことをしない(たぶん)。
日本人同士で固まって現地の人と交流しない、とか批判する人もいるけれど、海外で生きていくには同胞の相互協力は欠かせないと思う。
ある一定の勢力を持てば発言力も増すし、発言力が増せば彼らの言語も地位が上がるのだ。
それがいいか悪いかはあまり関係ない。

モラルだけでは、飯は食えない。

2 件のコメント:

  1. こんにちは!こういうトピック大好きです〜。これはあくまで、私の周りの狭い世界でのことですが、中国人とインド人組はアメリカで成功する!っていう強い情熱がある人たちが多いのに対し、日本人は割と短期滞在の駐在組が多いし、永住組はわりと、お受験とか競争の激しい首都圏を避けて、のんびりくらせるアメリカに移動した方々が多いのかなと思ってます。

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  2. りょうこさん、
    またまたありがとうございます。

    > 中国人とインド人組はアメリカで成功する!っていう強い情熱がある人たちが多い
    これはまったく同意見です。
    祖父母まで渡米してくるあたりに決意を感じました。
    コネでも何でも使って成功しようとしていますし、子供にも英語教育を、という熱意を感じます。
    日本人は、やっぱり「仮住まい」っていう感じなんでしょうか。私もここでダメなら別に日本に帰ればいいやと心のどこかで思っていますしね。一応、永住予定ではありますが。

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