駐在の方のように「じゃ、3か月後に帰国ね」と突然言われて、ほぼ不可抗力で本帰国になったら、やっぱりやり残したことをあれこれ考えて「もうちょっといたかったのに」と思うかもしれない。でも、自分たちの自由意思で帰国の日を決めることができるとしたら、もしかしたら「帰らない」という選択肢もありかもしれないなーと思えてきた。人生の晩年はやっぱり日本にいたいけどね。
日本に夏に帰ると、ちょっとしたことに違和感を感じることがある。
日本人は傾向として細かいことを考えすぎるし、自己肯定感もあまり高くないし、そのせいかどこでもたいてい不寛容だと思う。電車が3分遅延しただけで、遅れまして申し訳ありません、というアナウンスが入るとかね。
日本では学校の先生に対する不満をよく聞いたけれど、こちらの現地校の先生は、たいていもっとめちゃめちゃである。確かに不満には思うけれど、最終的に
「まあ、いっか」
ということはよくある。文句を言えるだけの英語力がない、という言葉の壁ももちろんあるけれど、まわりはそんなに大騒ぎしていないところを見ると、そんな大した問題でもないかもなー、とも思えてくるから不思議である。そしてそれでも大抵のことはそんなに困らない。相手の粗探しほど不毛なことはないのだと気づくのだ。
このブログ記事を読んで、うわー、まさにこれだよ、と思った。
帰国子女のある悩み|Boiのねばネバダ
そして、この切り返しも秀逸だなと思った。
顔クソだな、と言われたら、そう?と言い、その後に、でもアナタのピアス、かわいいね、って返したらどうだ?悪口を悪口で返しても、恨みだけが膨らんでますますエスカレートするもの。言われたら誉め言葉で返す。でもこれ、なかなかできることじゃない。
日本人からしたら、アメリカの適当でどうしようもないところにイライラしちゃうんだけど、こと「生きやすさ」という点において、適当でストライクゾーンがものっすごく広い寛容な世界の方がずっと楽だということはあると思う。
イライラはするよ、もちろん。でも、まあ、アメリカだし、仕方ないよね、うん…うん??
具体的にアメリカの何がいいと言われても、とっさにあまり出てこない。
道が広いとかビールが安いとか(教育は考えさせる内容でいいとは思うけど、それも地域格差がひどすぎるので、いいとは言い切れない)その程度しか出てこないんだけど、でも、だから楽しいこともいっぱいあるんだよなぁ。広さゆえの余裕みたいなものもあるし。広いだけで、心にも余裕が生まれるから不思議よね。
そもそもいろんな人種がいるから差別もその分激しいわけで、差別があるからリベラルも進むわけでしょう。矛盾がたくさんあるけれど、みんなどうせ分かり合えないと思っているから、人に寛容になれる。社会が寛容だと、生きるのが楽。
***
そういえば、以前、似たような記事を書いたような気がする、と思ったらやっぱりあった。
駐在妻の精神状態 ~ もうすぐ1年 ~
帰国する日本人家族を送り出す季節にて
めちゃめちゃ暗い。そうだ、この頃は日本に帰りたくて仕方なかったのだ。帰国していく人たちがうらやましくてうらやましくて、複雑な気持ちを抱えていた。
思い起こせば、私の暗黒時代は
- 子供を産んでから職場復帰するまで
- 渡米してから1年くらいまで
外界との接触が極端に減るのが、全くダメなんだろう。
そうそう、大学入学して一人暮らしを始めて最初の1か月くらいもダメだったから、間違いない。
一人暮らし自体は全然問題ないし、休みの日に一日中家にいて誰とも会わなくても全然平気だ。でも、
仕事をしていない(役に立たない?)
という状況が精神的に追い込まれるのかもしれない。社会的断絶が極端に堪える。
今も仕事をしていないのだけれど、さすがにもう3年近くたって慣れてしまったんだろう。仕事をしていなくても、子供の宿題を見るとか学校のボランティア行くとか、そういったことで何とか心の中ですり替えているのかもしれない。
お金がふんだんにあって、健康で病気知らずで、ぜいたくに子育てできるんだったら、とーーーっても楽なアメリカだけど、やっぱりどこかで勇気を出して仕事を探さないと立ちいかなくなるわ…
↓それでも明日はやってくる。ポチっとしていただけたら嬉しいです↓
0 件のコメント:
コメントを投稿