アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2018/03/19

Are you happy that you immigrated?

息子は現地校の社会の授業で「移民」について学習している。
攻めていますね。学校としては「攻めている」という自覚はないと思うけど。

今月は16日(金)~19日(月)まで四連休がある。どうも、先生方の研修会があるようである(たぶん)。その四連休期間を利用して、学校でこの「移民」についての宿題が出た。
自分の周りにいる移民の人に簡単なインタビューをする、というものである。攻めている!

自分が質問されたら、どう答えるだろう。
質問シート(たまこ訳)
この他に、自分で考えた質問を二つ加える。
息子が加えたのは

  • 帰りたくなることはありますか?それはなぜですか?
  • 恋しい食べ物はありますか?
の二つ。
日本で移民についての授業なんておそらくないだろうから、そしてアメリカといえども内陸部の白人しかいないような地域でもどうなんだろう、できないかもだけど、この地域ならではの学習だと思う。

一番簡単なのは、私が息子のインタビューに答える、ということになるわけだけど、この際だから少し息子にも勇気を出して英語でインタビューさせてみてもいいかもしれない、とだんなさんに相談したところ、
「オレの職場に移民なんてうじゃうじゃいる」
と大乗り気で同僚を紹介してくれた。
誰もいなかったらスクールバスのバス停が同じ子の親御さん捕まえてインタビューさせようかと思っていたのだけれど、お父さんの職場も見られるし、なかなかいい機会なので職場訪問させてもらうことにした。

だんなさんの職場は一人ずつ個室があり、いつ撮影したのかわからないけれど、中の人の名前&写真付きプレートがドアに貼ってある(だんなさんは恥ずかしいのか、机の下に乱雑にプレートを放置してあって貼っていなかった)。名前の脇には出身国の国旗が印刷されてある。

見るとアメリカの星条旗の付いたプレートは全然ない。
イタリア、スペイン、中国、インド…
確かに移民だらけだ。
英語非ネイティブがこれだけ集まって仕事している職場、なんてすばらしい環境!
私たち日本人が想像するアメリカって、これなんだよな。

インタビュイーは、だんなさんの職場の同僚のキューバの方。
キューバだよ!
(だんなさんは、わざわざ彼女を選んでくれた。)

彼女はご主人と20年近く前にコスタリカをへてアメリカに来たそうである(もちろん合法だよ!)。おそらく幾多の困難があって、国を出た。

"We needed FREEDOM."

息子にわかるように、シンプルな英語で答えてくれた。
自分たちの自由のために。そして、一人息子さんの未来のためにも。

社会情勢なんて無頓着なアホな小学生の質問に真摯に答えていただいたキューバのナディア(仮名)さん、感謝しかない。素晴らしかった。最後は私、ちょっと涙ぐんでしまった。
だんなさんも、普段は仕事の話しかしないので、彼女の経緯を聞いてえらく感心していた。
ナディアさん本人は終始笑顔で別に特別な話をしている雰囲気は全然なかったけれど。でも、世間話にしてはやっぱりちょっとヘビーだよね。

最後の質問「移民についてシェアできること」は、少し考えてからこう答えてくれた。
自分の国を去ることはとても辛かった。でも、国を出たことで新しい生活のスタートを切れた。二つの祖国を持つようなものね。

***

日本でも、最近はコンビニはじめスーパーのレジなどいたるところで移民とおぼしき人たちを見ることができるようになった。やろうと思えばできないことはないと思うけど、レジの人にいきなり質問できるわけもないし(その前に仕事中迷惑だろうし)、あとは、もしクラスに海外から来たクラスメイトがいた場合、それが10人単位でいれば別だけど、たいてい一人ないし二人程度なので質問がその子たちに集中してしまう可能性もある。

もしこういう宿題をやることになったとしても、事前に先生が根回しして教室にボランティア精神あふれる移民の人をお呼びするとか、根回しが必要になるかもしれない。息子の現地校の先生のように、質問用紙を渡して「やってきてね」と簡単に投げられないと思う。そんなことしたら、保護者から苦情が出そうだ。

もちろん、アメリカに大量の移民がいるからこその宿題なんだろうけど。

つい先日、こんな話を読んだ。
こちらもかなりヘビーです。ほんわかした雰囲気で始まったのに、いきなりヘビーな話になってびっくりしてしまった。
こういう、本当に様々なバックグラウンドを持つ人たちとの関わりの経験が、じわじわ成長過程で効いてくるんだろうな。
英語できない運転できないなんでアメリカ来ちゃったんだー、なんて大騒ぎしている自分を、小せえな、と思いました。

↓当の息子は緊張から解き放たれて、終わった後は終始ご機嫌で歌っていた。ポチっとしていただけたら嬉しいです↓

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