アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2016/10/23

アジア系と白人

トランプが大統領選に躍り出て、民族間の亀裂みたいなものがじわじわ出ているようなのだけれど、その関連で New York Times のこんな記事が目に入った。

New Jersey School District Eases Pressure on Students, Baring an Ethnic Divide - The New York Times

昨年度末の記事。
私の拙い英語力で簡単に要約すると
  • ニュージャージー学区で子供たちが学業のプレッシャーから大変なストレスを抱え、自殺願望者が多くみられるようになった
  • 改革案を出したところ、アジア系アメリカ人から「こんなんじゃうちの子はバカになる」と反対が
  • アジア系アメリカ人は近年急増しており、それに伴って、白人との間の亀裂が深まってきている
  • アジア系アメリカ人の親世代は、今まで就職などで辛酸をなめてきた。白人と同じレベルでは同じスタートラインに立てない。白人よりも優れていてこそ、ようやく同じ機会を与えられる。
  • 白人は、アジア系アメリカ人のこういったことをさっぱり理解していない。
こういう民族間の対立は、アメリカにいるとよく耳にする。

アジア系は、おそらくストレス耐性も白人より強いんじゃないだろうか。
長い学歴社会の歴史がそうさせたのか。
本当に良く勉強する。
音楽やアートなど、勉強以外の習い事もとても熱心だ。

「選抜クラスのオーケストラなんて、髪の毛みんな黒いわよ」
みたいな話はよく出ていた。

特に中国系の親たちが、「アメリカの小学校は生ぬるい」みたいなことを言っているのを耳にした。
でも、アメリカにいるんだし、そんなにガツガツやらせる必要ないんじゃない?と私は思っていた。
だって、アメリカにはアメリカの歴史があるわけで、ずいぶん長いことそういうルールでやってきているわけだし、移民としてはそれに従うのが礼儀というか、それこそ異文化交流ではないか?という風に。
そんなに勉強させたいなら、塾でも家庭教師でもつければいいじゃない?

でも、彼らにしてみたら、もう国には帰らない覚悟で渡米してきたわけで、アメリカで成功する必要があるのだ。子供は優秀でなければならない。そしてそれは、白人と同じレベルでは到底到達できない。
同じレベルの白人とそれ以外の人間を天秤にかけたら、白人が採用されてしまう(たぶん)。

前に、ママ友と話していたら、
「大学だって、優秀な人間ばかり合格させるとアジア人ばっかりになっちゃうから、公にはしていないけど、人種によって入学させる割合を決めているんだよ」
と言っていた。
学業だけじゃなくて、ボランティアだったり音楽だったり、それも何かコンクールで優勝するとかそういうトップレベルにいないと、アジア人は不利なんだよ、ということだった。
「なんでこんな凡庸な白人に負けるのか、理由がわからないことはたくさんある」
そして、こういう不満は、おそらく白人の耳には届かない。

もちろん、もしかしたら、少数民族の勝手な思い込みなのかもしれない。
でも、それが白人の脅威になりえるだろうし、さらなる亀裂を生むんじゃないかな、と思ったりする。

2 件のコメント:

  1. まさにそうなんですよねー。タイガーマザーという本(筆者は中国系の女性)にも書いてありました。ここになんのコネも無い、移民なんだから頑張らないと上にあがれない!って。そしてすごく上昇志向が強いですよね。私もその本の筆者に感化されてアジアンスタイルで頑張ってみたけど、ダメでした(笑)。白人ママたちにアジア人の子どもだからってみんなバリバリ優秀でも無いというふうに安心されたかも(笑)

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    1. りょうこさん、

      コメントありがとうございます。
      私も中国系のママからこういう話を聞きました。
      やはり、中国は本国でも競争社会ですし、必死さが日本人と比較にならないと感じます。
      中国も韓国も、ママたちはたいてい英語をかなり勉強してきてから渡米されていますしね。
      そこからして気合が違う!と思いました。
      日本人はいろいろ甘いなーと思ったりします。そこが私にとってはいいのですが(笑)
      おかげで息子も超スローペースです。ははは。

      たまこ拝

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