イースター |
かと言って、延長しなかったとしても、この状況で学校に通わせようとは思わないけれど。
たった1ヶ月前に、こんな呑気なことを言っていたとはにわかに信じがたい。
BSD (ベルビュー教育学区) のサイトがえらい勢いで更新されていた。
学校の閉鎖という非常事態に、学校側がいろいろと対応しているのがよくわかる。スピード感がすごい。
ベルビュー学区のリモート学習
いつの間にか、学習ページができていた。Learning Resources for Students and Families – Bellevue School District
リンクを辿っていくと、各学年の学習項目をまとめた OneNote へつながる。
息子の OneNote にも [Remote Learning] というページが追加されて、そこに先生方が毎週末、その週の学習課題を追加しておいてくれるようになった。これを見る限り、BSD が出している、先の "Learning Resources" に則った学習内容になっているようだった。
リモート学習によって、期せずして学校側の教育ガイドラインのようなものを覗き見ることができた。一応、BSD 内の学校はこのガイドラインに従って学習が進められているらしい。
冒頭に、1ヶ月前までこんな呑気なこと言っていたなんてお恥ずかしい、と書いたけれど、こうやって休校になってリモート学習が始まってみると、休校になって被るデメリットがあまりにも大きすぎて、休校宣言するにはそれ相当の覚悟が必要だったんだろうな、と想像できる。
息子のクラスのリモート学習
息子の学習内容も、休校になった最初の1週間は、前の週の木曜日(最終登校日)に渡されたプリント類をこなすように、というだけで何のフォローアップもなかったのだけれど(最初は2週間の予定だったわけだし)、その翌週から、学校で使っているラップトップを使いたい人は取りに来て、と言われ(取りに行った)、2週目からは OneNote でのリモート学習が始まった。息子の場合は、以下のようなスケジュール;
月曜日:Reading/Writing, Math, Art
火曜日:Reading/Writing, Math, Library
水曜日:Social Study, Science, Computer Science, PE
木曜日:Reading/Writing, Math, SEL (Social Emotional Learning)
金曜日:Reading/Writing, Math, Music
これに加えて、クラスミートアップ (マイクロソフトの Teams というオンライン会議ソフトを使っている) を水曜日以外の毎日30分している。同じ学校の他の人に聞いたら、ミートアップは完全に担任によるみたいだった。週に1回のクラスもあれば、息子のクラスのように毎朝集まるクラスもある。さらに、息子の担任は週に1回、全員と20分ほどの1対1のミーティングも入れてくれている(今年の担任は本当にすごく良くて、ラッキーだった)。
どちらも学習課題の説明である。1対1の方は、学習の進捗を見ながら、生徒のフォローアップをしてくれているみたいだった。ただのご機嫌伺いじゃなかった。
息子は英語自体に問題があるので💦、先生からリーディングの課題について、みっちり教え込まれているようである。手厚い。助かる。週に1回20分でも、全然違うと思う。
課題は OneNote で共有されて、息子の書いたノートも先生から見られるようになっている。先日は、息子が書いた回答に先生からコメントが書き込まれており、さらに音声ファイルが添付されていた。「先生と先週話したことをきちんと理解して、今週の課題に反映されていた。素晴らしい」みたいなことをわざわざ録音してくれたようである。息子はとても感激していた。
それでも「さすが」感はそんなにない
とまあ、こんなことを書いていると、「さすがアメリカ」みたいなことを言われてしまうんだけれど、日本の人たちが言うほどではないと私は思っている。日本のメディアや保護者の言っている「学校のIT化を」というのは、この動画みたいなことを想像されているのですよね、きっと?(それにしてもすごい。)
でも、ここまでやるのはずいぶん前から周到に準備している学校じゃないと難しいと思う。それに、この学校のサイトを見ていたら、ベネッセの Classi (クラッシー) を契約しているみたいで、もともと学校と家庭とでIT化が進んでいたことがうかがえる。
でも、これを見ていたら、日本人はいったんスイッチが入ると徹底的にやりつくすので、進みだしたら意外と諸外国よりも完成度の高いテクノロジーでICT教育うまくいくかもしれないなと思った。あ、でもお役所を通すのが難儀か…(そこだ)。この動画は高校で、義務教育じゃないからね。
それからすると、ベルビュー学区はそこまでのことはできていない。
各教科担任がスライドや自分が解説した動画などをプライベートなサイトにアップして、それを視聴するくらいしかできていない。
それに、実際には、学校や担任によって対応はまちまちである(アメリカあるある)。
同じ学区でも、別の小学校では、週末に担任からメールで課題が知らされて、1週間でそれらをこなすものの、先生からのフィードバックがないので見ているかどうかもわからない、と言っている人もいた。そういう学校の方がむしろ多いのではないかという印象である。
報道や SNS で回ってくるようなものというのは、たいてい耳障りのいい物だったり、そもそも日本人は自分たちを卑下してダメなところを指摘するのが大好きな傾向があるので(個人の感想です)、日本の政治・教育を非難する材料として体よく使われたりするものなので、現状と剥離していることも多い。だいたい、「海外の学校では」とか、主語がでかすぎる。
日本もICT教育推進すると言っているけれど
パソコンが一人一台配布されたとしても、「何をやるか」「どう使っていくか」という、教育の中身がはっきりしていないと、ただの連絡ツールにしかならないよ、ということを言いたかったのでした。最近、フェイスブックでうちの息子のリモート学習の様子を上げたところ、「一人一台パソコン配るなんて大した予算でもない。日本は教育をなめている」という、政府(?)へのお怒りのコメントがついて、げんなりしてしまった。そんなこと私に言われても、というのもあるんだけど、それ以前に、自分のことしか考えていないなーと思ってしまった。
私と同年代の男性だったんだけど、
- パソコン配るだけでリモート学習が自動的にできるのか
- できたとして、家庭でその子どものサポートをするのは誰なのか
ということも考えて発言されているようには思えなかった。
パソコンさえあれば、お子さんは自主的に時間になったらパソコンの前に座って先生の指導の下、学習をするのか?自分で家庭のWifi接続できるのか?なにかパソコンにトラブルがあった時、自分で対応できるのか?
その方はIT系にかなり強い方なので、パソコンが導入されてもそのご家庭においてはそんなに困らないのかもしれない。でも、ITリテラシーの格差が教育格差につながるかもしれないとか、どの家庭も同じように子供のサポートをできるかどうかとか、そういう配慮が一切感じられなかった。
確かに、政府や役所に文句を言いたくなる気持ちはわからないでもない。でも、「パソコン配るくらい大したことないだろ」と短絡的な発言をされる前に、リモート教育はなんのためにするのか、という原点に立ち返ってもらわないと、結局パソコンが配布されても、その方は文句を言い続けるのだろうな、と思ったのでした。
愚痴ですが
その方は、学生時代、大変お世話になった方で、今でもすごく尊敬している。でも、こういう時に人間性とか信条とか如実に表れてしまうのは、とても残念に思った。他にもいろんな人がいろんな発言をされているのを見て、考えが全く合わない人も中には少なからずいて、できればそんなことは知りたくなかった、今まで通り良い印象のままつながっていたかった、とちょっと寂しい気分になりました。↓補習校もリモート学習考えているそうですが、それも始まっちゃうと、勉強時間をどうねん出したらいいのやら…ポチッとしていただけたら嬉しいです↓
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