アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2019/10/30

家族の転機に優先すべきは

いきなりですが、今回は夫婦の話です。

先日、mom's night out してきた時に、ちょっと話題になった。

「結婚以来、一番辛くて夫を恨んだのはいつか」

ヘビーだよねー(笑) 女子会はこうでないとね!

出産直後?渡米直後?

二つ意見があって、それが出産後渡米後
どちらも人生の転機。
大事な時期に一緒にやり遂げたか、自分だけ放り出されたか、で全然印象が違うというのは本当によくわかる。
私は出産後の恨みをずっと胸に抱き続けているわけだけれど、渡米後に子供や学校のことをすべて丸投げされてしまった方々がだんなさんを恨む(?)気持ちもよくわかる。海外の暮らしや子育てがわからないのはお互いさまで、そこを仕事を理由に押し付けられたら、やっぱりそれは恨まれても仕方ないかな、と思う。
参考)私が病んでいた話↓
何のために渡米したのか考えてしまう時
海外赴任する駐在員とその家族の心の問題

私の場合は、オットが会社を中抜けしてあれこれしてくれたので、渡米直後の恨みはない。全然ないかというとえーっと…もごもご…でも、出産後に比べると大したことない。自分がふがいなくて、アメリカではまったく役に立たなくて、それが辛くて仕方なかったけれど、オットに対しては、比較の問題ではあるけれど、それほど恨みはない。

私の場合

それより出産後だよ、問題は。
育休取るとか週3在宅申請するとかさんざん言っていたくせに、ふたを開けてみたら今まで通りなんだから。
子供のお風呂くらい入れてほしい、せめて私がお風呂に入る時くらい家にいてほしい、子供がいたらゆっくり湯船につかれない、と言ったら、
「じゃあ、俺が家にいる朝に入ればいいじゃん」
と返されたからね(思い出すだけで怒りで震えるわ!!)。

なぜ!赤子を持つ親が!他人事のように自分に生活を合わせろとか!
夜泣きでほとんど眠れない日々を送っている母親に向かって!
お前なんか家では自分で好きなように寝て起きるだけじゃないか!
トイレだって行きたい時に行けるだろ!
授乳しているだと?調乳済みのミルクを受け取って吸わせるだけの簡単な授乳な!!
どんな人生歩んできたらそんな偉そうなこと言えるようになるのかな!!!

でも、そういったことって、当の本人は忘れてしまっているものなのだ。
だから余計腹が立つ。
こっちなんて、10年もたっているのに忘れないわよ。

転機に家族を顧みることができるか

大きな転機があった時こそ、一番大事にするのは家族であるべきである。
仕事ももちろん大変だと思う。海外で仕事をするのは全然勝手が違うだろうし。
でも、どんなに心血を注いで忠節を尽くしても、会社なんて結局会社でしかない。そもそも人間ですらない。
自分のことだけを考えて生活をしていけているのだとしたら、それは裏で何もかもを引き取って根回ししてくれている誰かのおかげなのです。オレ様の自己管理が行き届いているからではないのです。

よかったら、鴻上さんの回答が最高な相談読んで。定年後に家族に相手にされなくなっちゃったおじさんの相談↓
66歳男性が風呂場で涙… 友人もいない老後を憂う相談者に鴻上尚史が指摘した、人間関係で絶対に言ってはいけない言葉〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット) 

終わりの見えない孤独

出産後と海外生活直後ってすごく似ている。
仕事に出ない家族にとって、そこに広がるのは遥かなる「孤独」なのだ。
何もかもわからないのに、家のこと子供のことすべての責任を取らなくてはならないプレッシャー。
それを一緒に考えたり動いたりしなかったことは、のちに必ずやってくる老後の二人きりの生活に影響がないとは言えない。
仕事でも、大きなプロジェクトをチームでやり遂げれば大きな達成感と強い絆が生まれる。あの辛い時を一緒に乗り越えたという仲間意識。それと同じだと思うんだけど。
どうして夫婦だとできないのだろう?

先日、私の音楽友だちと話をしていたら、彼女が
「日本の女の人っておとなしすぎると思わない?」
「もっとじぶんのやりたいことを主張してもいいと思うんだよ」
「だんなはいいよ、ハッピーだよ。自分の仕事を家族巻き込んでやっているんだから」
「子供もまあいいよ、最初は辛いけど、英語だって上達していくし」
「でもさ、私たちは何なのよ?もっと怒ってもいいと思わない?」
というので、二人でそうだそうだと口角泡を飛ばす勢いで話してしまった。
要は、コンサート行ったり演奏活動したりするのに、いちいちだんなの顔色伺いながらやる必要はない、私はやりたいことはやる、よろしく!でいいじゃないか、という話で(笑)

無責任な優しさは馬のうんこほども役に立たない

「それなら働きなよ~応援するよ~」とオットは優しい風で言ったりする。
いいか、勘違いするなよ、と。
私は自分が仕事をするにあたって、あんたの意見も許可も求めていない。あるのは私の意思のみである。決定権は私にあり、あんたにはない。断じてない。
そもそも、私が働くにあたってやらなければならないことは山のようにあるのだ。
  • レジュメを書く
  • めぼしい求人を探す
  • アプライする
  • インタビュー & 採用
オットはこれらをすっ飛ばしてすでに仕事先が決まった状態で渡米してきたのだ。スタートがそもそも全然違う。
これらがうまくいったとしても、さらに
  • 子供の習い事の送迎は誰が?
  • 親が帰ってくるまで子供はどこで過ごすのか?
彼の「働けばいいじゃん」という軽薄な言葉の裏で、これらのことすべても私に丸投げしているということに、まるで気づいていない。
そして、気づいていないという事実が、また私をイラつかせるのだ。
これは海外生活云々関係なく、保育園探しから何から何まで私に丸投げしてきた彼への怨恨である。想像以上に闇は深いのだ。

自分の将来は自分で切り拓くしかない

たまに
「パパには働いてもらって、代わりに私は家のことと子育てをがんばるの」
とおっしゃる、ご尊顔を拝ませてくださいと言いたくなるような仏のような方にお会いすることがある。そうすると、私も「ああ、私は全然人間ができてないなー」と反省したりする。
かといって、私は家事全般好きじゃないどころかまったく興味ないし、だから毎日やっているのに掃除も料理もまったく上達しない。家のことはまったく向いていないと思う。ただの作業である。

オットもそれはとっくに気づいているはずだ。彼の転勤によって知らず知らずのうちに、自分の配偶者から得意分野を奪って苦手分野を押し付けることになったこと、罪深いのでは、と思ったりすることもある。
ただ、嘆いていても何も始まらないので、ここはひとつ、自分で道を切り拓いていくしかない。それも、なぜ私だけが、と思ってしまいがちなんだけど、そこはぐっとこらえて楽しむくらいにならないとダメだよなーと、結局おせんべいポリポリしながらまた無駄な一日を過ごしてしまうのであった。
(もちろん、これは自分の怠惰な性格のせい…)

海外勤務に帯同してきた家族は、環境や運命を嘆くだけじゃなくて、それを克服するために自分の考え方を根本から見直さなくちゃいけない局面に、好むと好まざるとにかかわらず、どうしても巻き込まれてしまう。

また、これらは何も海外勤務だけに限ったことではなく、国内転勤でもありうる。そもそも出産が女性しかできない以上、どうしてもたくさんのオプションから捨てたり拾ったりしなくてはならないことが出てくるのは、女性の方が圧倒的に多い。
そういう点では、私はオットよりは環境の変化に柔軟なのかもしれない。でもそれを、女性の特性だよ、と簡単に言われてしまうとそれは心外である。こういうことに巻き込まれてきたから、仕方なく獲得してきた能力なのかもしれないのだから。

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