アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2018/11/20

ベルビュー学区の英語サポート ( ELL )

ベルビュー学区 (BSD) のWebサイトには特に明記されていないのだけれど、BSDでは基本的に取り出し授業を行わない方向に方針転換したようである。
(心のオアシス、ベルJで聞いてきた。)

ELLが機能していない?

以前、ELLが機能していないんじゃないか、ということを書いてしまったんだけど、そういうわけではなかったらしい。
昨年あたりから、学校で取り出し授業をしている様子がなくて、ひょっとして人手が足りないのでは、とか、移民が多すぎるからでは、という憶測が飛び交っていた。でも、そうではなくて、「故意に」取り出し授業をしていないようである。
もちろん、ELL Facilitator が、各担任に対して、ELL対象生徒の英語のレベルなどを加味して、そういう生徒に対してどう授業を進めていくか、という指南はしているようである。でも、他にもELLに限らず、Special Education対象の生徒というのはたくさんいるため、担任への負荷も大きくなってしまう。
(以前書いた、ギフテッドプログラムも、一部担任にゆだねられている。)

BSDでは、建前上は全校でELLを実施しているということになっていて、安心して渡米されてきている方も多いのかもしれないけれど、実際にはELLとして何かわかりやすいサービスを受けているわけではない。
(噂では、ELLが充実している学校もあるらしい。)

機能していないわけじゃないけれど

うーん、英語ゼロで渡米されてきたお子さんには不安ですよね…
もし、長期滞在予定であれば、百歩譲ってそれでもいいかなと思わないでもないけれど、2,3年で帰国される方々にとっては、英語はわからないままで帰国することになるかもしれない。現地校は英語がすべてではないけれど、言語ができないとなかなか友達も作りづらいし、わからない言葉を聞き続けるストレスとか考えると、やっぱりELLの取り出し授業がある方が、精神的に救われる子も多いんじゃないかな。
(すべての子がそうとは限らないけれど。これも難しいところ。)

どこにエビデンスがあるのかわからないのだけれど、次のような調査結果が出たことを受けての変更だそうである。
従来のような取り出し授業 (Pullout class) を受けた生徒と、通常のクラスでほかの生徒と一緒に授業を受けた場合 (Immersion class) を比較したところ、最初のうちはプルアウトの生徒の方が伸びが早かったものの、長期的に調査した結果、プルアウトの子たちは伸び悩むか低下し、イマージョンの子の方は緩やかではあるものの確実に伸び続けたのだそうである。

もしかすると、予算やリソースの問題でELLを充実させることができないことへの方便なのかもしれないけれど、そう言われてしまうと、反論しづらい。

※ちなみに、キンダーはもともと取り出し授業は行われていなかった。ELL対象の生徒かどうかにかかわらず、通常授業でアルファベットの書き方や Phonics を習うからである。取り出して行う意味がない。

子供への英語サポートはどうしたら

保護者からすると、「子供には、早く英語を身につけて学校生活を楽しんでほしい」と願ってやまないわけだけど、こと言語に関しては、一朝一夕では身につかない。周りのサポートとそのやり方の良し悪し、さらに本人のやる気など、その進捗度には左右される要件が多い。
とりあえず、Tutorをつけてみよう、と思ってはみたものの、日本語出来る先生がいいか、どこで手配すべきか、どんな人についたらいいか、どういう指導を受けるべきか、など、悩みどころは多い。高いお金払ってお願いしても、数か月でぺらぺらになるわけでもないし、学校の宿題がすらすら解けるようになるわけでもない。
合間に補習校の宿題も入ってくると、ただでさえ学校で辛い思いしているのに、さらにそんなに勉強させるのは不憫になってしまう。すごくわかる。

いろんな経験者の話を聞くのも悪くないんだけど、ひとつわかってほしいのは、結局がんばるのは自分ではなく、子供だということ。お子さんが、おしゃべりが好きなのかそうでないのか、自分が英語ができないことを気にしているのかしていないのか、体を動かすのが好きなのか、読書をしていれば幸せなのか、大勢で遊ぶタイプか一人の方が好きか、…とお子さんのタイプをあげていけばキリがない。
だから、だれかと同じ方法で取り組めば、同じように伸びるわけではない。同じようにやったのにうちの子は伸びないとか、比較しだすと辛くなる。できれば、過去のお子さんと比較してあげると、どれだけお子さんが伸びてきたのか、どれだけがんばったのか、とてもよくわかっていいと思います。

というわけで、BSDのELLには、あまり期待できないみたいだ、という残念なお知らせでした。

そういえば、余談だけど、ボストンから来たと言っていた方が、ボストンの学校のELLがものすごくスパルタだったと言っていた。どこの学区かはわからないのだけれど。宿題が山のように出て、ものすごく書かされたんだそうである。とにかくたくさん書いていた、と言っていた。結果、英語がまたたくまに上達したんだそうである。

おおお、そのノウハウを知りたい。

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