アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2017/10/01

夫の海外転勤と妻の退職

ツイッターで、こんな記事が流れてきた。
モヤッとするよねー。当事者だと。

この記事で特徴的なのは、当の海外転勤を命じられたご主人自身が
「妻は、自分が育った街で地域貢献するという、希望通りの仕事をしている。結婚後も働き続けられるから、選んだ仕事です。妻の就職については、妻の両親も喜んでいる。私の都合で彼女の仕事を失わせるのは忍びなかった
と言っていること。
私のだんなさんは一言もそんなこと言ってくれなかったわよ。私の(大したことないけど)キャリアとかなめてんのかしら。この一言があるかないかで、海外生活がどれだけ違ってくるかわからない。

私のまわりの方の話を聞くと、「ずっと辞めたかったから、仕事を辞めるきっかけができて良かった」と言っている方もいたし、「辞めたくなかった。本当に楽しい職場だった。最後は泣いたし、今も時々泣いちゃう」という方もいらした。

私は駐在じゃなかったから選択しようもなかったんだけど、私も米国資本の会社に勤めていたので、場所がシリコンバレー近辺だったら一緒に転職できないこともなかったかもしれない。まあ、英語のレベルがアレだから、難しかったと思うけど。

でも、夫の転勤は海外にかかわらず、妻の仕事に影響する。国内転勤だって、場所によっては妻は退職せざるを得ないとか、単身赴任を選択するとかになるわけだ。これは妻が転勤する場合も逆のことが起きる。
ただ、海外の場合、赴任期間が終わればまた元の場所に戻ることが多いから、だったらそれまで休職扱いしてくれてもいいんじゃないかと思うのも無理はなかろうと思う。

私はいつも思うんだけど、日本はハード(法整備など)に関してはわりと進んでいるし、かなり整備されていると思う。でも、問題はソフトで、使う側の人間の感情や意識がそれについていっていない。
この記事の中に出てくる佐藤さんの奥さまの会社の経営陣とか。
休職制度を使うなんて「ずるい」と言っちゃう風土。
著者の治部さんも最後の方に書かれていたけど、
佐藤さん夫妻は、制約の中でできる限りの情報収集と交渉をしました。それでも変わらない場合、組織を変えるより転職したほうが良いかもしれません。
というのは、ベターな方法だと思う。
結局、そういう会社にいても自分がすり減っていくだけだ。
また、妻のほうには「勤務先に申し訳ない」という気持ちもありました。自分が休めば社会保険料だけでなく代替人員の人件費もかかります。女性の先輩からは「私はすべてを諦めて仕事を続けてきた。あなただけ支援を受けるのはおかしい」と面と向かって言われたこともこたえたと言います。そういう雰囲気の中、たとえ制度があったとしても「使うことには気兼ねがある」と感じたのでした。
こういう話もよく聞く。
だから何?って思う。単純に「ずるい」ってひがんでいるんだよね。
自分が辛かったことを人にも押し付けるんですね、っていう。
自分の人生には全く関係ない他人を、自分と同じように諦めさせたら満足ですか?

でももちろん、こういう人たちを責めることはできない。
他人の気持ちに寄り添うには、それ相当の心の余裕がないとできないからだ。余裕を産むには、やはり、全体の意識を変える必要がある。そしてそれには時間がかかる。

***

ここまで書いておいてなんだけど、でも、海外で生活する経験は、一度してみるのも悪くないと思う。不幸にも自分の希望叶わず退職することになったとしても、それを補うだけのメリットはあると思うのだ。ただし、それは強く「こんなにいろんなものを捨ててきたんだから、それ相当のメリットを享受したい」と願うことが必要だけど。
待っていても幸せはやってこないのだ。
(もしかしたら、このシアトルが住み心地がいいだけの話かもしれない。少なくとも、シアトル生活は楽しいです。)

私も3年目にして、ようやくアメリカ生活が楽しくなってきた。
この夏、日本に帰ったとき「日本は本当に便利だけど、アメリカも楽なところいっぱいある」と意外にも強く感じた。それは、日本でふつうに働いているだけでは得られなかったことだったと思う。

とりあえず、英語がんばります。

2 件のコメント:

  1. たまこさん
    初めてコメントします。
    主人が12月から2年間の海外転勤(NY)が決まり、9月末をもって私自身は、会社を退職したものです。
    現在年長と1歳児の娘たちと私は1月よりアメリカに行く予定となっています。

    英語もできない、長女は学校に通わせなくてはならない・・と問題山積みのところたまこさんのブログを拝見しすべて読破しました(笑

    現地校の様子、子供の状態などとっても参考になりました。
    私のキャリア…とも思いましたが、2年間のアメリカ生活を取りました。

    残り3か月の日本生活は、英語の勉強と引っ越し準備に充てる予定です。

    不安なことだらけですが、ブログ参考にさせてください。

    あきこ

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    1. あきこさん、

      ありがとうございます。
      全部読まれたのですか...最初は暗かったと思いますが、大丈夫でしょうか。

      1月からニューヨークですか。
      ニューヨークは駐在の方がたくさんいらっしゃるので、日本人向けのサービスもかなり充実しているようです。こちらから伝え聞いている分には、都会だわ~と思います(笑)
      その分、気苦労も多いかもしれませんが、生活が落ち着いてくれば、ちょうどいい落としどころが見えてくると思います。

      私もまだ3年目でぺーぺーですが、何か気になることがあったら気軽に聞いてください。
      私が知っている範囲ですが、お答えしますよー。
      コメントでもいいですし、連絡フォームからメールしてくださっても構いません。

      アメリカ生活が楽しくなることをお祈りしています。

      たまこ拝

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