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2019/04/04

Z会タブレット受講その後

息子が日本の通信教育を受けていたことを覚えていらっしゃるだろうか。
小学生の通信教育始めました - Z会海外受講 -
このZ会海外受講がとうとう学年末を迎えた。5月から受講始めたので、実質11カ月だけれど、1年近く本当によくがんばってくれたと思う。

4月からどうするかというところで、継続受講は速攻停止した。つまり、

辞めた。

辞めた理由も含めて、1年続けたメリット・デメリットをまとめてみた。

辞めた理由

私が面倒くさがりなこともあり、ほぼすべてオンラインでできる、タブレットコースを受講した。ところが、始めたころの記事にも書いたけれど、このZ会アプリが超絶ク〇なのだ(評価も☆二つくらい)。

やたらサーバーにアクセスしたがる

何かというとサーバーにアクセスするし、それにもかかわらず、サーバーが弱小なのかロードするのに時間がかかる。
授業15分、練習問題15分、というのが1日のZ会推奨コマ数で、授業の方には最後に確認問題が2~3問、練習問題にはまとめ1ページと問題がやはり数問ついている。
ところが、問題に入る時にロードが始まるのである。「すすむ」ボタンを押しても反応がないので、効いているのか効いていないのかわからず、高橋名人のごとく連打してしまう。
そして、たまにフリーズして、せっかく途中までやったのに最初からやり直しというのも何回かあった。息子のやる気どころか私のやる気までが枯渇する。
毎日メンテしてるんじゃないのか?!何をメンテしているの?

毎日ダウンタイムがある

とにかく土日や休校日にひまだからやるかー、と立ち上げると
「メンテナンス中」
である。こちらの時間で10:00~2:00である。ちょうどいい時間である。その時点で、なけなしのやる気が塵と化してしまう。これを見るたびに息子と二人で

クソが!

と叫んでいた。口が悪くてごめんなさい。
(そして1年続けたけれど、このメンテ攻撃には最後までやられていた。本当にやめて。)

IT部門に疑問がある

夏休みと学年末の2回、学力テストが郵送されてきた。
海外受講生は、特別にメールでの答案提出が認められており、写真を撮ってメールに添付して送信できる。
ただ、その説明文が散らかっていて、大事なことがあまり伝わってこない。
文章がだらだらと書かれていて、送信先メアドと本文に書くべき内容、添付ファイルのファイル名、およびメールのタイトルなどを探さなくてはならない。ちゃんと読まないで適当にメールする保護者いるだろうな、と思う。間違えてほしくなければ、もっとわかりやすく書くべきである。

でもそれより、技術的にはそれほど難しくないと思うので、海外受講者用サイトにアップロードページ追加するだけでいいんじゃないか?と思わないでもない。それなら絶対間違えない。

理科・社会の内容が薄い

ハードの問題は上記の通りではあるが、ソフトにも若干不満があった。
私は理科・社会にフォーカスして通信教育を選んだんだけど、日本の子供にとっては国語・算数の方が当たり前だけど重要で、そのため理科・社会は全体的に内容が薄く、なかかな息子には定着しづらかった。
国語・算数と違って、文字を読むだけで定着させるのは、やはり限界があると思った。

かといって、毎回NHKの動画見せるのも面倒だし、一人で積極的にそんな教育動画を見られるだけの落ち着きも集中力もない息子には、その方法はそもそもハードルが高い。
NHK for School

良かった点

本当は社会と理科だけでよかったんだけど、タブレットコースには全教科しかなかったので、高いけれど致し方なく、全教科をやることになった。
小学生の通信教育 | Z会 |

英語は息子にやらせても仕方なかったので全然やらなかったけれど、あとの教科はとりあえず全部やらせた。結果的には、全部やらせて良かったように思う。

国語

国語だけは教科書に沿っておらず、独自の問題文などを扱っていて、最初は面倒だなと思っていたのだけれど、問題文で使っている文章が興味深いものが多く、出典をアマゾンで検索したりしてしまった。残念ながら、当の本人が長文を見ただけで失神しそうな勢いだったので、息子には合わなかった。すごくいいと思ったんだけど…

算数

算数は、補習校の進捗度によって予習になったり復習になったりだったけれど、理解できていないところのあぶり出しのようになって良かったように思う。
4年生は3学期に図形が出てくる。展開図とか。図形は苦手な子が多いと思うのだけれど、息子を見ていてもそれが手に取るようにわかった。頭の中で3Ⅾに変換するのは、なかなか骨が折れるだろうと思う。もちろん、空間認識力に長けているお子さんもたくさんいらっしゃるとは思うけれど。

理科・社会

理科も社会も、日本の学校であればフィールドワークなどがあるのだと思う。
実際にヘチマ育てたり、町を歩いて様子を学習したり。でもそういう実地経験がなく、文字を追うだけだと、定着は難しいと思う。
等高線の勉強はたまたま現地校でもやったので、それは相互作用で定着したようだったけれど、あとはおそらくすぐに忘れてしまうだろう。
星の観察とか、消防署やリサイクル施設の社会科見学とか、そういう自分の足と目で確認する作業が必要な学科だなーと改めて思った。

先生からのお便り

Z会では担任制度を取っている。
(中の人が途中で変わっているかもしれないけれど、そうではないと信じている。)
始めてからしばらくすると担任の先生から自己紹介が来る。
そして、毎月「定期面談」という名のテキストのやり取りがある。
「今月の目標は」といった学習面だけでなく、「最近はまっていることは」といったプライベートな質問もある。答えたくなければ、全然違う回答をしても構わない。
これを書かせるのが毎回本当に面倒くさくて嫌だったんだけど(まあ、書かなくてもよかったんだろうけど)、3月の最後に
「毎月、海外から本当によくがんばりました。(月末に提出する)提出課題も毎回高得点でした。これからもその調子でがんばってね!」
と心温まる内容のお手紙をもらった。
提出課題は私もかなり手伝ったので、高得点じゃないと困るわけだけど、それでもなんだか嬉しかった。息子はどうでもよかったみたいだけど(涙)

たぶん、全然提出しなかったり全然進まなかったりする子の方が多いのではないかと思う。だから、余計、息子のように毎月きちんと期限までに提出する子が目立ったんじゃないだろうか。私が先生の立場だったら、やっぱりそういう子には気持ちが入ってしまうと思う。
息子の場合は、(高額を支払っているので)私がかなり尻を叩いてやらせた。だから何とか1年間完走できたけれど、そうじゃなかったらとっくに忘れ去られていたと思う。
ちなみに、8月は夏休みだったし、補習校の宿題もあったし、Z会はひとつもやらなかった。

カレンダー

カレンダーに学習予定を入力できるようになっている。
デフォルトの設定があり、曜日ごとに学習時間を入力しておくと、翌月分が配布された時点でカレンダーに自動的に学習予定が入力される仕組みである。
一目で作業量がわかるのがいい。あと、休みや旅行などの関係で学習できない場合、学習予定を変更するのも可能である。時間になると、通知が来る。
Z会使い方ガイドより
残念なことに、このカレンダーは閲覧のみで、たとえばカレンダー上の「算数」と書かれているところをタップしても何も起こらない。ここから授業に飛べればいいのに。本当にかゆいところに全く手が届かない。

ぷちぽ

「ぷちぽ」というのは、たぶん「プチポイント」から来ているんじゃないかと思う。
課題をこなすごとにポイントが加算されていき、6教科(国・算・理・社・英・総合)の一か月分をすべてやり終えると、だいたい200ポイント強もらえる。
Z会使い方ガイドより
上の図にあるように、ポイントをためて日本地図を制覇するようになっている。スタートは沖縄で、ポイントがある程度たまると、次の県にコマが進む。人が多いところは赤く表示され、少ないところは青で表示される。赤や黄色の場所は、最後まで東には来なかった。それだけ課題をきちんとやりきる子供が少ないんだろう。
息子はすべて課題をやり終えて、全部で2300ポイントくらいたまった。これで沖縄から北海道まで制覇した。
何のひねりもないポイント制度だけれど(補習校でも似たようなのがある。漢字テストで合格するとシールもらえるとか)、ちょっとしたモチベーションになるみたいだ。しかもやればやっただけガンガン進んでいくし、自分のいるところはだいたい青くてあまり到達している人もいないから、ちょっとした優越感がある。

ほぼタブレットのみ(紙がない)

何と言っても、紙がないのはいい。
タブレットも慣れてくると、ペンを使って余白で計算できるし、紙も鉛筆も使わないですんだ。ゴミも出ないし、本棚も圧迫されない。最高である。
進研ゼミを選ばなかった最大の理由もここだった。物は増やしたくない。どうせ捨てちゃうし。
ただ、先にも書いたとおり、年に2回、夏と年度末に学力テストがあり、それだけは日本からテスト用紙が送られてくる。郵送してもいいし、期限内であればメールに画像を貼り付けて送付しても構わない。当然だが、私は何とか息子の尻を叩いてやらせ、期限内にメールで送った。

まとめ(?)

ここまで散々文句言ったけれど、そうは言っても、海外用にこれだけ手厚くサポートしてくれる通信教育はないので、これらのデメリットに目をつぶれる人は、全く問題ないと思う。郵送で送るのが面倒でなければ、上記のようなデメリットも全然受けなくて済むので、そちらを選択してもいい。私は封筒に答案を入れて糊付けして切手を貼ってポストに投函、という作業を考えただけでクラクラしてしまうので(たとえ月に一度とはいえ)、送信した瞬間に作業がすべて終わるオンラインの利便性を取ってしまった。おかげでいろいろとイライラしてしまったのだけれど。

果たして、ここまでして日本の教育を施す必要があるのか、という「そもそも」のところでつまづきそうな私ではあるのだけれど、日本の都道府県くらい知っていてほしいし、日本の近代史や文化についても知っていてもらいたい。
だからあともう少しもがいて、今年度もまた別の通信教育やろうかなと思っているところです。懲りずに。

新元号「令和」が発表されて、なんだか何かが新しく生まれ変わるような、嬉しい気分になったところで、ふと息子に「君が代」って知っているか聞いてみた。案の定「知らない」とそっけなく言われた。
そうだよな、日本で歌われる歌なんて、何一つ覚えないよな、と寂しい気分になった。「ふるさと」とか「ほたるのひかり」とか、はたまた「世界に一つだけの花」とか知らないで育つんだなぁ。
(全然どうでもいいけれど、"れいわ"で「令和」が一発変換された。漢字変換もオンラインで更新されているんだなぁ…すごいなぁ…)

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