アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2018/08/31

自分が役に立たない、楽しいこともない

駐在妻がうつ症状を起こす話はよくあって、私も何度かブログで書いてきたような気がするんだけど、最近また襲ってきたんです、

「アメリカでは私は何の役にも立たないし何も楽しいこともない」

というのが。

比べちゃいけないけど比べちゃう

きっかけは、ママ友からの「キーアリーナに推しバンドのライブを見に行くことになったんだけど、夜のシアトル怖いので帰りどうしたらいいのか困っている」という相談からだった。
彼女曰く
「推しバンドが来日するのを待たなくていい、というのが渡米のほぼ唯一の楽しみ」
だったそうで、そうか、渡米に一つでも楽しみなことがあるのはいいよね、と考えたことから悶々としてしまったのであった。

私のだんなさんについて考えてみると、渡米後の彼は
  • 仕事は、日本と同じチームで担当が変わっただけ
  • 趣味はロックとゴルフ
  • ほぼ毎週のようにゴルフに行く
  • ほぼ毎月ライブに行く
  • たまにゴルフトーナメントを見にいく
  • 年に一度くらいロックのフェスティバルに行く
という充実ぶりである。
アメリカに来て、ものすごく楽しんでいる(ようにみえる)。日本にいるよりずっと充実している(ようにみえる)。しかも、仕事は日本でやっていたこととほぼ同じで、特に大きな変化はない。

翻って、私はというと
  • 仕事は退職せざるを得なかった(泣いた)
  • 英語ができないので辛い
  • 運転できないので辛い
  • 平日どころか週末もほぼワンオペ
  • 夜出かけたいときは、オットの予定を聞いてから
  • 趣味のオーケストラも辞めた(泣いた)
  • 15年くらいやりたいと言い続けていた曲が選曲されて、コンミスも決まっていたのに泣く泣く手放した(泣いた)
というラインナップで、たぶん、未練が残ったままなのだろう、辛い。

コンミスやり切ってから渡米したかった

特にアマチュアオーケストラを辞めたのは本当に辛かった。仕事も辛かったけど、趣味を手放すのも辛い。アメリカでもやれば、と言われることもあるけれど、結局音楽ってメンバーが大事なので、あのメンバーであの曲をやりたかったわけだし、シーズン途中で全然やりきった充実感もないまま渡米してしまったので、未練だけが延々と残り続けてくすぶっているのだ。やりたかった、マーラーの巨人でコンミス。

興味ないと思うけど、マーラー「巨人」

このコンサートミストレスというポジションが大事で、今後もオーケストラで弾く機会はあるかもしれないけれど、年齢を考えても今後コンミスというポジションでオーケストラに立つのは難しいだろう。老眼が進むから楽譜も見えなくなってくるし、肩や背中も凝るしね…あのビッグチャンスを逃したのは、本当に辛かった。本当に本当に辛かった。

失ったものと得たものと

そしてさらに追い打ちをかけるのがだんなさんの態度。
私が仕事をしたい、バイオリンをしたい、と言えば「どうぞどうぞ」と寛大なオットを演じるわけだけど、それにもう少し言葉を足すと「お好きにどうぞ、僕は知らないけど」と言っているだけである。
幸運にも私が仕事見つかって働きだしたとして、さらにアマオケに入団してまたバイオリン始めたりしたら、なぜか彼の予定とすり合わせて「お願い」しなくちゃいけないのも癪に障る。なぜ彼だけが私に「お願い」せずに勝手にゴルフの予定とかライブの予定とか入れられるんだろうな!
…えーと、これはまた別の問題だけど。

だんなさんは仕事は保証されて渡米してきて、趣味もなんだか充実していて、そもそもミュージシャンと会話したい、というのをモチベーションに英会話がんばってきた人だったので、アメリカ生活は彼にとっては願ったり叶ったりで。

まあもちろん、だんなさんも渡米して失ったものはあると思う。たぶん。わからないけど。そして、私も渡米して得たものはあると思う。たぶん。

新しい気づきがあった

・・・と、ここまで毒を吐きまくってきてアレなんだけど、ちょうど昨日、ちょっとした気づきがあった。

私のだんなさんは見た目マンマでものすごくよく食べる。食べ盛りの高校生男子と比べたら大したことないと思うけど、本当によく食べる。家にいる間はだいたい何かを食べている。
しかも、よくこぼす。信じられない。
そのこぼしかたも尋常ではない。
彼の食卓椅子の下にはご飯粒とかポテチのカスとかいろいろ落ちている。
ポッキンアイスをこよなく愛しているので(ダジャレではない)、カーペットがピンクのベトベトになることもある。
しかもいたるところで食べるので、いたるところからこぼした痕跡が出てくるのである。
私はこぼすと右手をバシィィッとたたかれて育ったので、こぼす人間にあまり耐性がない。見つけたときは、思わずキーッとなって「拭けッ!今すぐッ!!」と怒鳴ってしまう。

それくらい家を散らかし放題なだんなさんが、私が息子の明日のお弁当用にと作って粗熱を取るためにタッパに入れてキッチンに置いておいた副菜を持ち上げ、食卓に持っていこうとする。

アンタそれどうするつもり?💢

え?これ食べてい…

ダメ!絶対ダメ!食べたら呪う!!💣

危ない危ない、食っちゃうところだった、キッチンにある食べ物は全部オレのためにあると思っていた

などとほざくので、

あんたはこの家のために何の役にも立たんな!💢

とうっかり本音が口から出てしまった。
言ってからしまった、言いすぎた、機嫌悪くする、とおびえていたら(彼は面倒なことに、キレやすい。たぶん自分にあまり自信がないので、図星だったり痛いところを突かれたりするとものすごくキレる。気持ちはわかる)、

わはは、わかってる知ってる

と苦笑いしていた。意外だった。

でもなんていうか、この一件で気持ちが何となく落ち着いた。
ここで
「うるせえ、オレは稼いでいるだろ」
とか応戦されていたら、私は彼のことを軽蔑しただろうし、たぶん、もう一緒に暮らしていく気持ちがなくなってしまったんじゃないかと思う。
でもそうじゃなかった。
彼は彼なりに、家族に対して申し訳なさを感じていて、彼なりに家族のことを思っているということがわかったような気がした。

いまだにやっぱり吹っ切れない部分はあるし、なんで自分だけ、という気持ちはぬぐい切れない。結婚した時も姓を変えるだけでもいろいろ大変だったのに、ヤツの都合で英会話やら運転やら、生活全部ガラッと変えられて、しかも泣く泣く仕事を辞めることになったのに新しく仕事を探すのは自分でイチからやらなくちゃいけなくて、なんて不公平なのかと本当に思う。

でも、たった一言

うん、オレはこの家のためにまったく全然役に立っていない
(感謝しているありがとう)

と言ってくれるだけで、なんだかとても救われたような気がした。
ヤツはそんなこと1ミリも考えていないと思うけど。

海外生活で夫婦関係が壊れていく話はそんなに珍しいことじゃないと思うけれど、もしかしたら、ほんのちょっとしたきっかけで良くも悪くも転がるのかな、と思った。
今回はその一言で大した傷にもならなくて済んだけれど、夫婦や家族の好暗転なんて紙一重だなぁと思い知ったのだった。

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4 件のコメント:

  1. たまこさん、優しいからかなーって思いました。アメリカではワガママになった方勝ちですよね〜。じゃんじゃん趣味もやっちゃう。とかはいかがですか〜?バイオリンもったいないです!

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    1. りょうこさん、

      ありがとうございます。
      優しいですか?いやー、全然優しくないです、怒ってばかりでしわ増える!といつも思っています(笑)
      でも、本当に自分の好きにしちゃおう、と思うことあります。あるんですが、それやりだすと、結局子供にしわ寄せがいってしまうんですよね。そのために夫に学校のこととか宿題のこととか食事やお弁当のことを説明しなくちゃいけなくなっちゃうことを考え出すと、面倒くさくて投げてしまいます。
      本当はすべてシェアした方が、自分も楽になるんだろうなとは思うんですが。

      たまこ拝

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  2. 先日はありがとうございました!
    たまこさんはご自分のことを”役になっていない”と思っているかもしれませんが、
    私はこのブログを開いてくれたことにすごく感謝しています。
    (私なんかに言われたくないかもですが��)

    実はうちも渡米直後の夫婦関係はそれはもう…離婚寸前でした��
    夫婦の絆が強くなるどころか…こんなに脆いものかと愕然としました。
    主人だけが着々とキャリアを積んでいくことに対しても
    猛烈な嫉妬心を抱えています。

    でも、まだ何かできるはず…。
    こちらは定年もないですし、日本ほど年齢が問われない環境であれば
    これから先、まだ何かできることがあるのではないかな?と…
    私もそんな淡い想いを抱えて…
    今週から英語学校に行ってきます(笑)
    (↑そんなレベルでいうなって感じですが笑��)

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    1. CYさん、

      今頃すみません!気づくの遅れました。
      (PC壊れていたせいです、すみません…)

      そう言っていただけると、とても励みになります。
      どうもありがとう。
      私も渡米直後はものすごく暗くて、しかも何の情報もなくて、孤独でこのまま朽ちていくかと思いましたが、自分の経験活かせないかとブログ始めました。
      たくさんの方に共感していただいたり、役に立ったと言っていただけて、それだけが励みで細々と続けています。
      それでも、まだまだ精神的に波があります。

      私も何か見つけたいです。

      たまこ拝

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