アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2018/04/28

ハイスクールのミュージカルを観てきた

先日、知り合いのお子さんが参加されるということで、ハイスクールのミュージカルを観劇してきた。
結論から言うと、

素晴らしかった

アメリカのエンターテインメントへかける情熱のようなものを感じた。
他の高校のミュージカルを観たことがあるわけじゃないので、レベルが高いかどうかはわからないけれど、もしこれが平均点だとすると、アメリカのポテンシャルいかほどかと思う。ブロードウェイのお膝元、ニューヨークのハイスクールはもっとレベル高いのかしら?あまり関係ないかな?

演目は「Crazy for you」

↑これはプロの演技

高校生ってここまでできるのか!と本当に驚いた。
演技力もあるし、ダンスもうまいし、歌だって本当にうまい。ただの技術力だけじゃなくて、魅せ方というのかな、こんなに若いのにここまでできて、しかも専門で学んでいるわけじゃなくて、学校のアクティビティ(クラブ活動のようなもの)でやっているだけなのに、完成度高かった。
細部はもちろん、いろいろあったけど…

おそらく、日本の高校生にも同じだけの機会が与えられたら、同じくらいいいものができあがるのかもしれないけど、文化として根付いていないとなかなか難しいのかも。
以前、息子の通う小学校でも4,5年生によるミュージカルがあって観にいったことがあった。これもなかなかすごかった。

アメリカの学校のショーって、みんなちゃんとお金を取る。寄付金も受け付ける。子供のやることだからと言って容赦しないのだ。関係者だってお金払って見る。高校ともなると、舞台監督や衣装デザイナー、オーケストラの指揮者などは専門の大人がつく。
その代わり、なかなか立派なパンフレットがもらえる。子供たちの顔写真と簡単なプロフィールがちゃんと載っていて、関わったスタッフやオーケストラの子供たちも載っている。

***

おそらく高校からなんだけど、ミュージカルに生演奏がつく。オーケストラピットである。
ハイスクールにはたいていシアターがあって、そのシアターにはたいていオーケストラピットがある。ピットの中で、舞台に合わせてオーケストラメンバーが演奏するのだ。
すごいよね。うらやましい。

高校では、音楽は選択科目である(中学も選択)。
ギターやピアノなどのソロ楽器や、吹奏楽やオーケストラ、合唱などの合奏系、それに加えてジャズなどを選択することもできる。ジャズってやはりアメリカだよねー。

今回のミュージカルはそれとは違って、数週間~数か月の短期間のアクティビティである。クラブ活動のようなもの。楽器としてミュージカルに参加することもできる。
そしてこの演奏家たちは必ずしも精鋭ではない。
アメリカでは、一つの楽器をコツコツ長く続けるよりは、「課外でバイオリンを個人レッスンしてもらっているなら、学校では別の楽器をやってみては」と勧められるし、その方が有意義であると考えられているそうである。だから、学校でコンマスやるぞ!とコツコツバイオリンを習ってきていたとしても、そういうチャンスは学校で始めた別の子に、みたいな雰囲気になるんだそうである。

というわけで、今回のミュージカル、何と言ってもオケが「う~ん」だった。
そもそも、ガーシュウィンはポピュラーともクラシックともいえる、なんとも絶妙な曲を書いている人で、リズムは難しいし、ソロもいっぱいあるし、テンポも変わるし、あのおしゃれな雰囲気を出すのはおろか、演奏するだけでも難しいのだ。

だから…
聞いていて、この伴奏で歌うのはきつかろうな、という場面がたくさんあった。
でももちろん、楽器を始めて数年とか数か月とかいう生徒ばかりだろうから、それにしたらこんなに弾けるのはすごい、ソロまで弾いてビブラートもかけている!と感心したけれど、やはりオーケストラピットで演奏するにはもう少し、というクオリティであったのは仕方のないこととはいえ、残念だった。

***

しかし、私が高校生だったら、絶対参加したと思う!これ絶対楽しい!
舞台大好き!ライブ大好き!!

舞台でその他大勢役の人たちもすごく楽しそうだった。全然ダンス踊れていない子とか、自分の立ち位置わからなくなっちゃう子とかいて、これ絶対日本でありえない、と笑っちゃったけど、それでも楽しそうでよかった。
今回、パンフレットを読んでいたら、渡米2年という日本人の女生徒がいた。日本でも中学生の時から演劇(たぶん)やっていたらしく、セリフのない役だったけれど、キレのある動きをしていて、なんだか嬉しかった。

さらに、ポリー役の女生徒は、確か5年生の時に日本から渡米してきた子だった。親御さんはアメリカ人だったのだけれど、日本で教育を受けて家でも日本語だったので当時は英語は全然しゃべれなかったそうである。それが、ハイスクールで主役はれるくらいに成長されて、とても頼もしかった。

子供えらい。みんな本当にがんばっている。

おばさん、高校生からたくさん活力いただきました。

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