中学年になると、急に問題が複雑化してくるみたいな気がした。
たとえば、3年生になると親との会話がめっきり減ってくる、子供同士で遊ぶ約束をして、勝手に遊びに行って、5時の鐘が鳴ったら帰ってくる、といった感じである。
突然、親の知らない子供の時間が増えるのだ。
子供が話し好きだったりすれば別かもしれないけど、何かトラブルがあったとしても、子供が話してくれない限り親には伝わらない。そしてだいたい、お分かりのように、男子は3歩歩くと何があったか忘れてしまう生き物である。聞いても覚えていなかったりする。名前もろくに覚えてこないこともある。
面倒くさいのが、金銭トラブルである。
親が子供にお金を持たせるご家庭が増えてくる。
お金を持っている子供がお菓子をおごってあげたりする。
ある子供は家でその話をするが、別の子は話さなかったりする。
ある親は把握しているが、別の親は把握していない。
...で、話がもつれる、とか。
他にも、鍵っ子の子が家に友だち連れてきてお菓子食い散らかしていくとか、逆に鍵っ子の子が親御さんが家にいるご家庭に遊びに行ってお菓子食べさせてもらったけどそのことを自分の親に言い忘れて失礼してしまうとか。
こういうトラブル(?)は今に始まったことじゃなくて、昔からあることだ。
中学年というのは、ちょうど精神的に成長を見せる年代で、どうしても避けられないことなんだろう。
たいていはうまくやっていくんだと思うけど、親御さん同士でのトラブルに発展したりすると、なかなか難しい状況になってしまう。
親も試されるんだろうな、と思う。
***
中学生になると、今度は、スマホ問題がある。
私が話を聞いたのは、たまたま女の子のお母さんだったんだけど、やはり女子はLINEでのやり取りがかなり活発みたいである。
そのお母さんは「子供にスマホは早い」という信念で持たせていないそうである。しかし、これを貫くのは生半可ではないということであった。
夜の間に自分のクラスメイトが情報交換し合っていて、朝学校へ行ってみたら概ね話が終わっていることもよくあるようである。ただでさえ難しい思春期なのに親の方針でLINEをさせてもらえず、
「お母さんには私の気持ちなんてわからない」
と啖呵を切られたこともあるそうである。
それでも持たせないのは立派と言うか。
ちなみに、みんながみんな自分専用のスマホを持っているわけではなくて、親のタブレットやスマホで自分アカウントのLINEを作ってもらってやっている子もいるそうである。
それにしても、LINEの浸透力、すごいよね。便利だから私もやってはいるけど。
もちろん、それに伴うトラブルもある。
表向きLINEグループと裏グループがあるとか。本当にあるんだ。しかもふつうに。怖い。学校の中にいるだけでは気づかない。
アメリカでも同じようなトラブルあるようだし、これは携帯端末にまつわるどうしても避けられない問題なのかもしれない。
それから、スマホ欲しさに嘘をつく子もちらほらいるようだ。
学校で先生が授業中に「スマホで○○の意味を調べて」という課題を出して、自分だけが調べられなかった、スマホ買ってくれ、と言った浅はかなものではある。
この場合、親が「いやもしそんなことを授業でやるんだったら、事前に学校から連絡があるはずだし、少なくともお父さんはそんなこと聞いてないからこれから担任に聞いてみる」と言ったところ子供が慌てて否定したのですぐに嘘だとバレた。
でも、子供にこんな嘘をつかせるなんて、なんていうか、切ない。
***
3・4年生あたりから何となく友人関係が難しくなってくるな、と言う話の流れで。
息子のクラスには中国人の男の子がこの4月に転入してきていて、この子は日本語が全く分からない。そしてその親御さんも日本語が少しだけ、という状態である。まるで私と息子のようである。
お母さんと語り合いたい!
ところが、日本語がわからないことをいいことに、クラスでいじめに遭っている、ということだった。
それほど陰湿なものではないんだけど、日本語がわからないので近くで悪口を言うとか、後ろから押してよろけさせたりとか、そういった類のものである。
その男の子も自分の身に何が起きているのか理解できなくて、それがいじめなのかどうかもよくわからなかったようなのだけど、さすがにお母さんが何かの時に察知して、担任に相談したそうである。
それから担任の先生がいろいろ気にするようになって、トラブルが起こるたびに加害者の子供にお説教をしたりしているそうなのだけれど、担任だけじゃなくて、家庭でも加害者を作らないような努力が必要だと思う。
これくらいの年齢になると、みんながやっているし、みたいな軽い気持ちでからかう子もいるだろう。それがまたじわじわ広がって、自分が加害者だという意識もなくやっちゃうことも多いんじゃないだろうか。
本当に、親が試される。
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