ESLにて |
アメリカでのハロウィンだ。
渋谷のスクランブル交差点は大変な騒ぎだったようだが、こちらはいたって静かな一日だった。
前日の30日は金曜日だったため、息子の通う現地校では、Fun Fridayと合わせてHarvest Party(収穫祝い)なるものがあり、子供たちにちょっとした仮装グッズとスナックが振る舞われたようだ。
(私はESLがあったので、ボランティアに行けなかった。)
ただし、以前何かあったのか、仮装はなし。
ESLでもハロウィンにまつわる単語を学習したり、クイズをやったりした。
アメリカの行事として記憶していたんだけれど、実はこのハロウィン、アイルランドケルト人が発祥である。
(クラスでは「これはサービス問題じゃない?」的な空気が流れていたんだけど、少なくとも私は知りませんでした…)
10月31日は夏の終わりの日であり1年の終わりの日でもあった。
日没とともに霊が降りてくるわけだけれど、その霊と一緒に悪霊も降りてきてしまうため、人々は仮面をつけて(仮装)、火を焚いた(ジャコランタン)のが始まりだそうだ。
そういう話を聞くと、がぜん興味がわく。
節分とお盆を合わせたみたいな行事じゃないですか?
息子の通った保育園で、節分にイワシを焼いてそれを枝にさして門に縛り付けてあった。
「やいかがし」という魔除けだそうだ。Wikipediaによると、西日本の言い方らしいので、園長先生が西の方出身だったのかもしれない。
ハロウィンのいわれを聞いて、真っ先に「やいかがし」が頭に浮かんだ。
節分と考え方がものすごく似ている。
洋の東西を問わず、1年の節目に現れる悪霊払いは大事な行事なのだ。
というわけで、せっかくアメリカに来たので、息子にもアメリカンな経験をさせてはどうか、と高速に乗って車で15分くらいの所に住んでいる従姉の家に呼んでもらった。
彼女はアメリカ生まれのアメリカ育ちなので、あまり難しい言い回しの日本語はわからない。
私のブログも、もちろん読めない(重要)。
4時くらいから、ショッピングストリートのお店がお菓子を配りだすので、それに行ってみたら?と言われて繰り出した。
仮装をしている大人から子供から、みんな楽しそうに"Happy Halloween!"と声を掛け合っていた。
息子に"Trick or Treat!"を練習させたんだけど、変なところが内気な息子は「えー、いやだー」となかなか言わない。エスコートしてくれた従姉の息子(12歳)もあきれ顔である。
まずはお店で練習。
お菓子が溜まってくるのが楽しくなってきて、途中からノリノリで"Trick or Treat!"と言えるように。
本格的に家を回るのは日暮れからなので、いったん戻って夕飯を食べ、それからいざ。
"Trick or Treat!"
中には玄関わきの植え込みからマネキンの首を出したり、階段を黒いカーテンで覆って、中からスモークの煙を出して、おどろおどろしいBGMをかけ続けているような、ものすごく凝った家もあったけれど、ほとんどの家ではそれほど凝った飾りつけはなかった。
ジャコランタンとお化けに見せたてるてる坊主みたいなのと、電飾があったりなかったり。
こういう行事があるおかげで、ふだんはどこにどんな人が住んでいるかわからなくても、大手を振って訪ねることができる。近所の人の顔を確認できる。
現代においてもなかなか優れたシステムだなと思った。
何しろ、街中が仮装を奨励しているような感じでとても楽しかった。
何かに似ていると思ったんだけど、アレだ。
町の夏祭りで、浴衣を着た子供がわらわらと夕暮れから歩き出す雰囲気と似ている。
とくに時間に決まりはないし、阿吽の呼吸で集まってきて、また阿吽の呼吸で解散していく。
ああ、私はこういう伝統行事の雰囲気が好きなんだなぁと改めて思った。
このハロウィンが終わると、いよいよサマータイムも終了する。
***
一緒に回りながら、オットがこんなことを。
「あのさ、"candy"って複数形にならないの?さっきから誰も"candies"って言ってないからさ、オレも"He wants more candy."とか言っちゃってるんだけど、言うたびにドキドキしちゃって」
学校でも"candy"は飴のことじゃなくて、お菓子全般のことを指すから"candy"でいいんじゃない?と適当に答えておいたんだけど、今調べたらやっぱり不可算名詞だった(もちろん、飴として個別に使う時は可算名詞)。
ビジネス英語にキャンディなんて出てこないからな。
ちなみにオットはキャンディーズのランちゃんが大好き。
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