アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2017/07/11

変わらずにいてくれるだけで嬉しい

行きつけの美容室が少し遠くへ移転することになった。
それに伴って、すごくお気に入りだった美容師さんが田舎へ帰ることになった。

全然どうでもいいような気もするけど、すごくショックだった。

たまたま5歳と2歳の息子さんがいらして、二人とも世田谷区の認可保育園に苦労して入れることができて...みたいな話で毎回盛り上がって楽しく髪を切ってもらっていた。
話を聞くと、以前から奥さまが田舎に引っ越しを希望されていて、美容室の移転で「いいきっかけでは」みたいな話になったそうだ。
「手に職があるので、どこに引っ越しても仕事はあるので」
って言っていて、手に職!手に職があればどこでも生きていける!看護師のママ友も同じこと言ってた!と自分の今までの堕落した生活を恥じたよね。

何はともあれ、新天地でもがんばってほしいと思う。
個人的には非常に残念だけど。
来年からどこの美容室へ行こう...(涙)

それで、あまりにもショックだったので、つらつら考えてみた。
帰ってきた日本が以前と変わってしまうことが悲しいのではないか?
帰ってきて、自分が最後に見た日本とそれほど変わっていないとホッとする。しませんか?
よく行く近所のスーパーのパートさんが変わらずレジ打っていたとか、Eテレの番組変わっていなかったとか、佐川急便やヤマト運輸の宅配のお兄さんが同じ人だったとか、それだけで何だか「私の知っている日本が!変わらずそこにいてくれた!」みたいな、何とも言えない嬉しさというかあるわけですよ。ないですか?ない?マジで?

だから、次に日本に帰ってきたら、美容室のお兄さんはいなくなっちゃっているんだな、お兄さんどころか美容室もなくなっちゃっているんだな、と思って、余計悲しくなってしまった。
これは更年期のせい?年寄りだから?

***

市民オーケストラ時代の仲良しですごくおしゃべりな女子がいるんだけど(女子というか、私と同世代だけど)、今回ランチに行くことができた。
彼女はいつも自分の話だけ弾丸トークする人で、たまに「いや、私の話も聞いてくれよ」と思うこともなかったわけじゃないんだけど、今回は彼女の話が心地よすぎて本当に楽しかった。
何が楽しいって、彼女の話題がほぼ彼女のまわりの話なんだけど(家族とか、オーケストラとか、仕事とか)、そのテーマが全然変わっていなくて、相変わらずのノリでいてくれて、変わっていない!相変わらずの弾丸トーク!と思って、必要以上に感動してしまった。

それで、何がこんなに楽しんだろう、と思ったとき、
「アメリカ生活どう?」
みたいな、もやっとした質問がなかったことかもしれないな、と思った。
私もそんなに話が上手なわけじゃなくて(いやむしろ話が本当に下手くそでうまく話せない)、「アメリカ生活慣れた?」なんてあまり興味なさそうな質問されても、しどろもどろになっちゃう性格というのもある。だから、海外に住んでいようがいまいが、単純に久しぶりに会った友だちの一人にすぎない、全然特別じゃない、というのも良かった。
海外に住んで久しぶりに日本に帰ってきたからと言って、変に客人扱いされても何だか不自然だよね。

きっと、私もいろいろ身構えていたんだろうなぁ、と思った。
バカだな、本当に私は。
知らず知らずのうちに「海外暮らしで日本人としての感覚がおかしくなった日本人」として「超ドメスティックな日本人とは感覚が違っちゃったわ」とかいう鼻持ちならない人間になっていたのかも、と思った。

「アメリカで何食べているの?」とか「息子くん学校慣れた?」とかじゃなくて、いつもの会話をしてくれたらすごく嬉しいです。特に「息子くん、日本語大丈夫?」とか本当にやめて。「英語ペラペラでしょ」とか最悪(実母だ)。
アメリカの話は、アメリカの駐在仲間(?)と話すのが一番。

2 件のコメント:

  1. おれんぢ猫2017/07/11 14:27

    それ、「日本一時帰国時あるある現象」ですよね!私のお気に入りの美容師さんも、知らないうちに移動されてました。当てにしてのほほんとしていると、日本っていつの間にか空気が入れ替わるように変化していますよね。だから行く前の予習が欠かせない・・・というのが私です。

    私も日本では長年からの友人と会うと落ち着くと言うか、誰も「アメリカ生活どーよ?」と聞かれないのがかえって嬉しいと言うか、めんどくさくないというか。
    もう長いから・・・というのもありますけど。
    アメリカの生活の話(?)は、アメリカの友達でないと通じない・・・みたいな、こう言えばこうわかりあえるというような『同士』感覚がありませんか?
    日本でアメリカの話しても、「ふーん。」で終わったりしますしね。

    今回の帰国では(3月しました)、便利だった実家近くのローソンが無くなってびっくりしましたが、私が子供の時からかかっていた診療所のお医者さん(こちらでいうファミリードクターですね)が、今だ頑張っておられる・・・と言うのに驚いたと同時にホッとしました。あれ?でも、先生もうすんごい歳だよねぇ?と思いつつも、ああ故郷に帰ってきたなあ・・・と思っちゃいました。

    すみません、長々書いてしまいました。

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    1. おれんぢ猫さん、

      ありがとうございます、すべて同意です!
      これやっぱり「あるある」なんですね。

      >アメリカの生活の話(?)は、アメリカの友達でないと通じない・・・みたいな、こう言えばこうわかりあえるというような『同士』感覚がありませんか?
      「同士」って本当にそうです、ぴったりです。もしくは「戦友」?(笑)

      こっちの話なんてどうでもいいから、いつものみんなでいてね、と心底思います。
      それが故郷なんですね。
      国内でも田舎に戻るのと似たような感覚なのかしら。

      たまこ拝

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