アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2017/05/13

勉強しろと言ったら子供は勉強するようになるのか

来る日も来る日も宿題に追われて、いかに子供のやる気を引き出すか、いっそのこと私が全部やっちゃいたいという衝動に駆られる。
だって、何もないところからやる気を出すって、ほぼ錬金術じゃない?違う?え、たとえになってない?

もちろん、現地校と補習校、二重の宿題で子供が大変なのもよくわかる。
私の子供時代ってそもそも宿題があった記憶がないし。

そんな折に読んだブログの記事がこちら。
日常の一つ一つの会話・出来事で勉強が好きな子・できる子が培われていく - 斗比主閲子の姑日記

このトピシュさんの記事内で紹介されているしんざきさんの記事(長男が、多分初めて「勉強わからない」に突き当たった話: 不倒城)が、本当に素晴らしい。どうしてどうやったら、こんな立派な大人ができあがるんだろうか。頭脳明晰で人柄もよく、忍耐強くて、子供にも寛容で。

さらに言うと、この記事を紹介しているトピシュさんのツイートにぶら下がっている彼女自身のメンションもとても興味深いです。
「勉強しなさい」と、のび太のママは言うんだけど、あれはダメな典型例だろうね。
私だって漠然と「勉強しろ」と言われたって、何からどう手をつけたらいいかわからないもの。今だって英語をどうやって習得して行ったらいいものやら迷走しているし。大人だってそうなんだから、子供なんて何をかいわんやです。

しんざきさんの息子さんほど優秀ではない息子も、補習校3年生になって勉強が一段と厳しくなってきた。今までもつきっきりで面倒を見ていて、そのうち独り立ちするだろ、くらいに構えていたのに、さらに貼りついていなければならなくなってしまった。貼りつき辛い。

息子が問題の意味が分からなくてイライラしてくるのが、ものすごく伝わってくる。
何が一番厳しいかと言うと、やはり難しい語彙が増えたり、複雑な言い回しが使われるようになってきたことだと思う。
というのは、私が息子の宿題を見ていてつぶやいたことである。
先の記事でトピシュさんはしんざきさんの下記対応に対して
その算数の問題自体は、なにせ昔何十人も教えていた問題なので、教えることは簡単でした。ただ、折角なので、「いくつもやり方があって、その中から自分に合ってそうなやり方を選ぶ」っていう経験はさせてあげたいなーと思いまして、何パターンか解き方は教えてあげました。多分一回じゃ身につかないんで反復させてあげないとなって思ってるんですけれど。 
こうコメントしている。
魚をあげるのではなく、釣りの仕方を教えられる!
親がここまで面倒見られたらパーフェクトだなぁと思う。

この小3の簡単な算数の問題でも、そこまで見られればいいんだけど、教えるのって本当に難しい。
先の私のつぶやきに添付していた日本語の問題だけど、左下に私の書いた図解がある。この図が書ければ、息子だって簡単に解くことができる。だけど、問題は「この図が書けるかどうか」なんだよね。
文を読んで、解析して、整理する。
教えるのが面倒になって、結局私が図を書いちゃうと、それが「魚をあげる」行為になってしまう。

***

所得(貧困)と学歴には強い相関があって、それはアメリカでも日本でも同じなんだけど、そうだとすると貧困家庭の子供は貧困になるという負のスパイラルからは逃れられないということになってしまう。アメリカの場合、やる気があれば奨学金を使って道を開くことができるんだけど、日本の場合はその奨学金がただのローンであるため、問題が山積している。(これはまた別の問題)

それで、冒頭のトピシュさんは「お金をかけずに子どもに学力をつけさせる」というテーマでも考えていらっしゃった。
なるほどなぁと思うと同時に、子供と養育者(たいていは親)とのかかわり方が大きく関わってくるということがよくわかる。ただこれも、親の心に余裕があったりしないとやはり難しいわけで、トピシュさんも懸念していたけれど、こういうことをあまり強く言うと、親への負荷にもなってしまう。
そうだよな、私もすでに気が重い...プレッシャーだよ...

私は母が勉強嫌いだったこともあって
「お母さんは、勉強は見られないから」
と、戦う前から敗北宣言出されてしまったので、母に勉強を見てもらった記憶はない(父からは、週末の数時間、勉強を見てもらった記憶はある。あまり教えるのはうまくなかったけど)。ただ、「勉強嫌い」だと宣言する親に限って、子供は優秀であってほしいと願うのか、私の成績に関しては口うるさかった。
勉強の過程には何も関わろうとしないくせに、結果だけ見て怒るなんてそれはないだろう、と子供心にも思っていた。

自分は努力しないけど、子供には努力してほしいとか、そういう理不尽なことを言う親にだけはなりたくない。子供のハードルは低め、自分のハードルは高め、でやっていけたら、ちょうどいい塩梅になるのかもな。


2 件のコメント:

  1. おお!なんとタイムリーな!ちょうどこのことでダンナと口論になったところでした。
    私は勉強は本人がやる気にならないと親が何を言っても無駄なんだよ派。オットは親がしっかり勉強をさせるべき派なんです。娘が日本人学校でちょうどお子さんと同じぐらいのころ、私も宿題を見てあげるのがすごーく」ストレスで帰宅恐怖症になったぐらいです。。辛いですよね。
    子どもたちがある程度大きくなって思いますが、何か目指すものができるとがんばるようになると思います。おかあさん、たまに息抜きしてくださいねー。ほんと2つの学校の宿題見るの大変ですよね!

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    1. りょうこさん、

      ごぶさたしています!ありがとうございます!
      帰宅恐怖症...以前、ブログに書いていらっしゃいましたよね?
      本当にだれの得にもならないですよね。

      私もりょうこさんの意見に賛成です!
      子供もひとりの人格なので、いくら親だからと言って無理強いすることはできないと私も思います。それで大喧嘩している親子を何組も見てきました。成長するにしたがって体力も付いてくるし、最後は麻酔銃でも打って、催眠術でもかけないとダメかもしれません(笑)
      もっと、穏便な方法でやる気を引き出すことができるといいですよね。

      たまこ拝

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