最近、こんな記事を読みました。
駐夫が自分の妻にインタビュー!その辛口な本音とは | NYで主夫&駐夫しながら日本の共働きについて考えた | 日経DUAL
駐夫さんの記事
ばっちり私と同世代の方である。小泉元首相の番記者も務めたこともありつつ、現在は奥さまの海外駐在に帯同して、二人のお子さんをお持ちの駐在夫、というなかなか面白い経歴の方である。さすが記者だっただけあって、インタビューうまいし記事のまとめかたもうまい。こういう方が駐在夫やると、こうやって記事にもなって、注目度も上がっていいな、と思う。
「付いてやってきた感」出して何が悪いのか
パンチの効いたセリフを持ってきた方がインパクトあるからか、リード文が駐在員である奥さまのこのセリフ「付いてきてやった感をこの先も一生、振りかざされるなら、それだけでうんざり」
うーん、いくらなんでもそれはないだろう、と思う。
この話はまだ先があって、
「付いてこなければよかったんじゃない、とすら思うよ」
「キャリアを中断して、付いてきてやった感をまだまだにじませてるでしょ。出してないつもりでも、出てるよ」
だから?
出しちゃダメなの?
だって、実際そうじゃないですか?自分のキャリアを中断してついてきたんだから。
別に消す必要ない。そんなこと言われる筋合いない。
それだけ一大決心してついてきたんだ。相方のキャリアを優先したし。その方が家族にとってメリットが大きいと思ったから。どちらかが折れるしかない状況で、それが自分だったら、100%スッキリした気持ちで海外に出られると本気で思っているのだろうか?未練があって当然じゃない?それだけ仕事に誇りを持っていたわけだし。
むしろ、アメリカに来たことを後悔させるようなこと言わないでくれ、と思う。
そんなうんざりするとか言われたら、自分のキャリア中断するみたいな一大決心したことそのものを否定されたのと同じである。言っていいことと悪いことがある。
奥さまの方も、もしかしたら後ろめたい気持ちがあるのだろうか(多少あると信じたい)。
本気でそう思っているのだろうか。
ただの冗談にしてはひどすぎる。
愛があれば体罰okと言っているのとあまり変わらない気がする。
実際、駐夫さんは「(この発言は)容認できない」と言っている。
結局はご夫婦のお話ということで
でもまあ、結局、今まで奥さんにほとんど家事育児を押し付けていた分、アメリカに来て家事育児を経験して夫婦でそれを対等に共有できるようになり、お互いを慮るようになり、さらに記者時代と違って奥さまのお仕事は土日祝日休みで計画も立てやすく、旅行も行けるようになり…といい話で終わっていた。ご夫婦のことなので、お互いが納得しているみたいだし幸せそうだし、奥さまとは私はたぶん一生関わらないと思うので、これ以上はもういいか。人様の家庭の話に口出しするほど野暮なことはないですね。
ここまで書いておいてアレなんだけど、実はモヤモヤしているのはこの部分ではない。
私のモヤモヤの正体
海外勤務してみたいが永住するつもりはない
駐夫さんの第1回目の連載を読んだら、外資系エアラインで各国を飛んでいた勤務歴もある妻は、以前から「海外で働きたい」「海外に住みたい」との思いを強く抱いていました。実はもともと、私自身も海外勤務を志望しており、妻は応援してくれていました。しかし、私の国外転勤の可能性が低くなった時点で、「それなら、私が行くわ」と、まるでエンジンを吹かしたように、猛烈に働き始めました。とある通り、彼らの場合は永住ではなく、「(現在の会社に籍を置いたまま)数年海外勤務を経験したい」つまり、駐在を希望していたということが読み取れる。海外駐在は「海外経験」でありただの「仮住まい」なんだな、ということである。
いつか会社のお金で日本に帰れるなんてうらやましい、みたいな気持ちがどこかにあるんだろう。だから、私はいつもモヤモヤしてしまうんだろう。
別に海外生活にあこがれて移住してきたわけではない
私のような立場だと、内実はともかく、見た目は「好きで転職して好きで海外生活始めたんでしょ」ということになってしまう。状況としては駐在妻とそう変わらないのだけれど、配偶者は自分の意思で転職してきたという一点において、まったく立場が違ってしまう。「海外移住」というと、夫婦で海外生活にあこがれ、いつか海外に行こうと準備をし、ビザやら収入やらの当面の問題をクリアし、ようやく海外に引っ越し!みたいなストーリーを夢想しがちではあるけれど、実際にはそういう人ばかりではないのではないか、と思う。
案外忘れがちなんだけど、日本で知り合った日本語堪能な外国人と結婚し、そのお相手が自国に帰ることになったケース、これはある程度覚悟の上とは思うけれど、好きになった相手がたまたま日本人じゃなかった、というだけのことである。
本人も留学経験があったり帰国子女だったりすればハードルは低くなるわけだけど、そうでもないケースも多い。
あと、こういう方の場合、周りは気軽に「だんなさんに英語教えてもらえばいいじゃない」と言ってくるそうなんだけど、今まで日本語で話していた相手と、いきなり英語で話すなんてできると思います?私のだんなさんが、たとえ帰国子女で英語ネイティブレベルで堪能だったとしても、どうせ私の英語を鼻で嗤うことはわかりきっているので、私はヤツに英語を習うなんて絶対嫌だ。そもそも、「英語を話せる」と「英語を教えられる」の間には、ミジンコとシロナガスクジラくらいの差がある(と思う)。少なくとも私は、非ネイティブに日本語を教えられない。
モヤモヤするのは私の心が黒いから
ちょっと脱線してしまったけれど💦、こういう駐在関連記事を読むと、どうしてもモヤモヤしてしまうのは、自分の心の狭さゆえだな、といつも思う。自分で選んだ道ではなかったというのがやはり大きいのだろうな…いつか帰れる人たちがうらやましいという気持ちがぬぐい切れないんだろうな…これが「付いてやってきた感」といって非難するなら勝手に非難しろよ、と思う。
そういうタイミングで、ついこの間、シアトル出張でこちらに来ていた元同僚と会って
「もー、海外生活うらやましい!」
とか言われてしまい、モヤモヤがさらに募っております。いっそのこと、
いいでしょ!うらやましいだろ~最高だよ海外生活!
と言ってしまった方がスッキリするかも。
そんなにうらやましいなら、海外くればいいんじゃない、と思ってそう言ったら
「いやいやうちは無理だよ。だんなの扱っている商品は日本用だから、日本でしか仕事できないし」
と速攻否定された。
いやいや、だから、突然の海外赴任で帯同する配偶者のキャリア中断が問題になっているんだってば。「うちは無理だから」が通れば、誰も苦労しない。
せめて「私は海外に来たいんだけど、家族が厳しいからさ~」くらい言ってくれればこちらとしてもまだ心を収めようがあるのに、そう言われちゃったら「あ、別に海外住みたいわけじゃないのね」とモヤモヤだけが残る。その気持ちを収める場所がなくて、成仏できないまま、また心に澱のように溜まっていく。
つい先日、自分のお友だちがどんどん帰国していくのを目の当たりにした息子が
オレだけ帰れないんだね
とポツンとつぶやいたのが、辛かったです。
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