ひょんなことから「日本にいる顔も見たことのない人のお手伝いで、毎週パワポの資料を作成して送付する」ということを始めた。
何やら違和感が
パワポ使えるよね?と聞かれて、使える使える!なんて安請け合いしてしまったんだけど、意外と面倒な作業であった。内容自体はそんなに難しいことを要求されていないんだけど、とにかく地味で面倒なのだ。それでもまあ、それなりに体裁を整えて資料を送付しているわけなんだけど、始めてみてちょっとした違和感を感じた。なんだろう、この違和感。
相手の方は、メールもわかりやすい文章を書いてくれるし、文面だけでも物腰は柔らかく、それなのに指示もはっきりしており、顔がわからないなりにもとてもやりやすい相手だとは思うのだけれど、数回やり取りしただけで「えーと…」みたいな気分になった。
その原因がずーっとわからずにいたんだけど、この間シャワーを浴びていて突然理由が舞い降りてきた。
褒め言葉が一つもないのだ。
褒め言葉がないという違和感
人間とは現金なもので、褒められるとやっぱりやる気が出る。いやもちろん、私の成果物が最高に素晴らしいものであるわけではないことはわかっている。でも、今までの経験上、何かを提出して「確かに受け取りました」だけで終わることってそれほどなかったので、褒め言葉ってとても大事なんだなぁと思った次第である。
つまらない話で恐縮だけど、私のようなしがないババアのLINEでのやり取りだって、何かしら褒めたりする。そうでしょう?学校のボランティアでも、以前、鉛筆削りのボランティアやったことあるけど、担任の先生から「きれいに削っていただきありがとうございました」とか、何か一言添えてあるし、こういうクッション言葉って大事じゃない?
褒められて当たり前、という傲慢さが出てしまっただけなのかしら…
つい先日、帰国子女セミナー的なものに参加してきたんだけど、面白い話があった。帰国子女受験の合格体験者に「勉強のやる気が出るのはどんな時?」と質問したところ、ほぼ全員が「親に褒められた時」と答えたそうである。
(ちなみに「やる気が削がれた時」は「やろうと思ったところで『やりなさい』と言われた時」だそうである。わかりすぎる。)
奥さま!お子さんのやる気を生み出すのはあなたの「褒め言葉」ですってよ!
褒め言葉がなくても困りはしないけど
話戻ってパワポ資料作り。つい先日も、指定のリンク先がなくなっていたので指摘したところ、
「こちらの新しいリンク先をお使いください」
と無味乾燥な内容のメールが送られてきたので、地味にショックを受けた。リンク先がないおかげで作業が滞ったにもかかわらず、それだけって何…
「ご指摘ありがとうございました」と一言添えてあるだけで、全然印象違うのにな…
他にも、90年代に作ったのかな?みたいな体裁のエクセルファイルが送られてきて、「サンプルなので、こちらは好きなデザイン可」というので、フォントもデザインもきれいにして送り返したところ、
「こちらで問題ありません」
とこれまた無味乾燥なメールが返ってきた。
もしかしたら「お前全面的にデザイン変えやがって、こっちのデザインがそんなに気に食わないのか、ケンカ売ってんのか」を大人なビジネスフィルターにかけた末の文面だったのかもしれない。
でも「おかげで大変見やすくなりました」といった一言があったら、もっとお互い気持ちよく作業できるのにな…と思う。
ただもちろん、いい大人が「褒めてくれないからやる気でない」と駄々をこねるのはさすがにみっともないので、ここはビジネスライクに言われたことをきちんとこなそうとは思うけれど、まあ、そういうテンションならこちらもそこそこのものしか出しませんよ、みたいな気持ちはどうしても芽生えてしまう。心が狭くてすみません。
でも確かに、「褒められて当たり前」みたいに思っていたから違和感を感じたということは否めないので、自分の傲慢さも反省すべきではある。
いつからこんな人間に成り下がってしまったのだろうか。
心がけていること
私も若いころ「周りのやつはみんなバカ」とイキっていた時代があった。あの頃は、周りの人に本当に不愉快な思いをさせていたと思う。届かないと思うけど、当時の皆さんごめんなさい。
その頃の反省やら加齢による自信喪失やら諸々が重なって、近年では人とかかわるときにはとにかく
- お礼を言う
- 素直にほめる
101 ways to PRAISE your child
そんなモヤっと感からこんな話を思い出しました。この "101 ways to praise your child" は、ググってみたら、たくさん出てきた。うちのかみさんが、どっかからこのマグネットを見つけてきて、冷蔵庫に貼ってたんですね。「101 ways to PRAISE your child」。日本語で言ったら— Hiroyuki Takenaga (@nynuts) 2014年12月28日
「子供への褒め言葉101選」
でしょうか。 pic.twitter.com/SQX2ltmB5l
冒頭の写真もそこからお借りした。
みなさんおっしゃっているんだけど、英語にはたくさんの「褒め言葉」がある。素直に褒めて伸びる文化だからかもしれない。
日本語で褒めようとすると「すごいね」とか「素晴らしい」くらいしか出てこない。最近だと「やばい」とか。
日本みたいに「謙遜が美徳」という文化だったりすると、確かに単語は増えないよね。褒められて勉強なんてけしからん、とか、辛く厳しい練習をこなしてこそ強いチームが、とかいうような文化だし。私のだんなさんを見ていても、息子を誉めるのは照れ臭い、みたいな雰囲気がプンプンする。
褒め合おう
でまあ、何が言いたいか、ということなんだけど、こんな40をすぎたババアでも、いまだに人から褒められたいって思うし、褒められたらますます頑張ろうって思うので、人を褒めることは誰にとっても得することあれ損することはないはず。みんなで褒め合おうよ!と思います。小学生なんてまだまだ知恵も浅はかで、相手の裏を読むなんて芸当は到底無理で、だからこそ、人の話を素直に受け入れてくれるので、子供のやる気を引き出すパワーワードはやはり「褒め言葉」に違いないと思うのだ。
腹の立つことが増えてきた9歳男子、イライラすることも多いのだけれど、やはりここは毎日ひとつはべた褒めしてあげようと思います。
なんといっても、褒めるだけならタダだし。思い立ったらその日、その瞬間からできる。
うちの男子にそんなに褒められることあるかな…ソファでジャンプしたりしているしな…いつまでも歯磨きしないで鏡の前で変顔を延々としていたりな…(いや、おそらくこういうダメ出しが一番よくないのだ!)
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