アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2018/07/10

「体験」という軽い気持ちで通ってほしくない

昨年度から赴任された校長先生の風当たりが強くて倒れそうなたまこです。

「体験」ではない

まあ、タイトルの通りなんだけど、おそらくすごくまじめな先生なんだと思う。仕方ない。こっちは日本人ではあるけれど、住民票もないし、だから税金も払っていないし、ただただ迷惑かけていると言われればその通りなので何も言えない。

でもね…だとしても、

日本の学校を「体験」してみたい、という気持ちでいらっしゃるのはちょっと(ごにょごにょ)

とか言われると、ノミの心臓しか持ち合わせていない私はさすがに傷つく。
同じ日本人なのに…と思う。
でも、日本にいるとほとんど日本人としか接触しないので「同じ日本人同士」みたいな感情にはなりにくいよね。私みたいに考える方が確かにおかしい。

どうしてこんな話になったかというと、編入学前の面談の時に
  • 編入の手続きをしたからには、その日からうちの児童です
  • 他の児童と同じように、学籍が設けられます
  • 学校へ通う義務が生じます
  • (時差ボケで体調が心配ということですが、月曜日までに時差ボケを解消してください)
  • 学校のルールには従っていただきます
「自分たちの規範に従って行動するように」という念押しをされた。
この流れから、他の生徒と同じである以上、「体験」などという甘い考えは捨てなさい、という意味だったんだと思うんだけど、そこまで言う必要あるのか、とキレそうだった。
もしかしたら、以前、体験入学で来た生徒やその親御さんと何らかのトラブルがあってトラウマになっているのかもしれないけれど、それはそちらの都合であって私と息子には何の関係もない。それはそれ、これはこれなのだ。

ルールが一番だと辛い

自分たちのルールを順守しろ、という学校側の主張ばかり聞かされて、要はトラブル起こすなよ、好き勝手なことするなよ、あんたたちのことは信用していませんよ、ということなんじゃないかと思って、気持ちの良いものではなかった。
お世話になっておいて、しかも納税もしていない人間があれこれ言うのは無粋だとわかってはいるんだけど、でもいくらなんでもこういういい方はないと思いませんか!

そのわりには、編入生用の書類には不備があったりいろいろ適当で、そんなに他の生徒と同じだ、同じように振舞え、と言うんだったら、他の生徒と同じように扱え、と言いたくなってしまう。

ルールがたくさんあると、お互い余裕がなくなって関係が悪化するよ、ということを言いたい。こっちに厳しいこと言うならそっちだってちゃんとしてくれよ!とか言い出すと不毛である。そういうことを言っているんじゃないんだ。

アメリカ全部がそうかどうかわからないけど、少なくとも息子の通う現地校の先生はものすごく適当で、メール出しても返事来なかったり、かと思うと秒速で返事来たりして、本当にびっくりするくらいだけど、だから逆にこちらはあまり期待しないし、向こうもそんなに私たちに期待していないと思う。多少のことはお互い目をつぶるし、だからお互い何かを押し付けあうこともない。
これが楽ととらえるかイライラするととらえるかは、まあ、個人差あるけれど。

ここまで適当である必要はないけど、相手に対して何かを求めるのであれば、同じように求められるということについても、もっと考えてくれてもいいんじゃないかと思う。言うだけ言って、相手の話は聞かないんじゃ、不満が募る一方だし、いい関係なんて築けない。

何が言いたいかというと、日本の学校ももっと適当に流せないのかなーと思うのです。
適当に判断する部分をもっと増やした方が、楽なんじゃないかな。違うかな。

なぜ日本の学校に通いたいのか?

これが昨年。
日本の小学校で体験入学は迷惑なのか - テンパり母のアメリカで子育て
校長先生の主義主張は一貫している。

「体験」という単語もお気に召さないようだったんだけど、昨年、補習校の「体験入学証明書」をお願いした時に、ものすごくブツブツ言われてあげくに「文言を直していただくように言っておいてください」まで言われていたので、今回は手渡しながら
「『体験入学』というのは全国的にも通っている通称ですので、世田谷区の都合だけで変えることは出来かねますので、申し訳ありませんがこのまま証明書を記入していただけますでしょうか」
と、先手を打っておいた。不服そうであった。

受け入れていただけるわけだし、何とかここまで平身低頭して先生方の話を聞いていたわけだけれど、最後に先生方にこう聞かれた。

「どうして日本で学校に通いたいのですか?」
「学力向上のため?」

海外で暮らす日本人の子供たちへの認識ってその程度なんだなぁ、と悲しい気持ちになった。せめて「海外生活のことはあまりよくわからないのですが、日本の学校に通うのはどのようなメリットがあるのでしょうか」くらいな聞き方してくれたら、まだこちらの気持ちもざわざわしなくて済んだのだけれど。
高い飛行機代を払って、たった数週間のために面倒な入学手続きをしてまで日本の学校に通いたい理由は何?という純粋な疑問なのかなーとは思うけど、でもそれは教育者が、しかも学校の校長が親に聞く質問ではないのでは?と思うのです。
校長先生は、今いる児童に責任を持つので、そんな超短期間しかいない児童にそこまで関心寄せられない、というのはわからないでもないけど。

Win-win の関係にはなれないのか

海外の補習学校や日本人学校で教鞭をとられた先生方が日本に帰任した際に、どうにかして教育委員会などに働きかけて、海外で学ぶ日本人がどのような状況に置かれていて、日本での体験入学にどれほどの意義があるか、また、受け入れ側としてもそういった生徒を迷惑なものではなく、むしろ活用するくらいのつもりで考えてほしい、みたいな啓もう活動には発展しないのかな。
受け入れ側にもやっぱり、メリットがないと、と思う。

先日、補習校PTA委員会の議事録が配布された。その中に校長先生のご挨拶があった。
7月から夏休みに入るのですが、日本に帰られた場合は出来るだけ体験入学をお願いしたいと思っております。日本の学校を知らない生徒がこの学校には何名かおります。日本語力の向上もありますが、日本の学校文化を知って欲しいと思います。日本でお友達が出来たり、日本で色々な経験をすることによって、補習校に来るモチベーションが上がればと思っています。現地校と補習校の両立、頑張っていることと思います。その中で少しでもモチベーションが上がるよう、ご家庭でお話いただけると幸いです。
補習校へのモチベーションが上がるかどうかは疑問だけど、日本の学校を経験することは、子供たちにとって大きいだろうと私も思う。
息子の場合は、毎年帰ることで「また帰ってきた、お帰りー」みたいな感じになるし、特別感もないし、あっという間に溶け込めて、授業さえなければ日本の学校の方がずっと楽しい、と本人も言っている。

だから
「すでに現地では夏休みに入っているにもかかわらず、どうして日本の学校にも通いたいんですか?」
などと言わず、ただ
「おかえり!」
と迎えていただけたら、とてもとても嬉しいです。

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2 件のコメント:

  1. おれんぢ猫2018/07/13 14:48

    こんにちは。子供を持たない者が、日本の学校事情をよく知らずにふと思ったことなので、的が外れているかもしれませんが・・・。読んでから、「では何故日本の小学校には体験入学というのがあるのでしょう?」と思いました。例えば日本人以外の外国人(日本語オーケーとして)が、日本の小学校の様子を知りたい!とか、そういった場合は校長先生の態度も変わるのでしょうか?「いらっしゃい!楽しく日本の学校を体験していって下さいね!」と明るい態度で迎えるのか、それともやっぱり「これは遊びじゃないんだから!」というキリッ!と怖い態度で対応するんでしょうか?あれ?外国人は受け入れてもらえますか?ダメならば、ますます「では何故・・・?」という気持ちが湧いてしまいます。FBなどで日本の小学校では生徒が掃除もするし、給食も配ったりする・・・それってすごい!是非見習いたい・・・的な記事を読んだりするので、外国人のご両親達も日本の小学校に興味がある人沢山いるのでは?と思うんですけどね。なんというか、校長先生、もう少し「受け入れる姿勢」を考えられないものかと・・・。ナンテ。

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    1. おれんぢ猫さん

      ごぶさたしています!コメントありがとうございます。

      確かに全くその通りですね!
      体験入学の条件として、日本語ができる・学区に住所があることを規定している学校が多いと思いますが、外国籍の子どもはダメとは言っていないので、ルール的には問題ないですよね。でもたぶん想定していないと思います。日本語出来るなら受け入れると思いますが、ダメだったら断るでしょうね~
      やっぱり日本の教育現場はまだまだ排他的ないんだと思います。いろんなしがらみがあって、こういう制度ができたんだと思うんですが、制度があるから仕方なく、という先生も少なくないんじゃないでしょうか。

      たまこ拝

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