アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2020/06/24

秋以降の学校再開プラン

ベルビュー学区学校再開の署名活動があるのをご存知でしょうか。
Petition · Families in Bellevue: Let Bellevue School District children return to FULL-TIME school IN-PERSON this fall! · Change.org

学校、秋以降のプランは

3月の上旬に、学校をクローズしてほしい、という署名はものすごい勢いで集まっていた。
Petition · BSD Superintendent (Ivan Duran): Close BSD Schools Due to COVID-19 Death in Washington and New Cases · Change.org
結果を見ると、4万3千人以上の署名が集まったようである。

でも、今回の再開の署名に関しては、なかなか集まらないようである。目標自体が1000人しかないのに現時点で700人くらいしか集まっていない。気持ちは痛いほどわかる。気持ちと現実がこれほどかみ合わないことってない。

BSD のサイトにも、秋以降のプランがアップデートされています。
でも、今のところ、ウイルスの広がり具合との兼ね合いになるので、いろんなオプションの組み合わせで協議されているようである。

たぶん、これが最新情報だと思うんだけど、ワシントン州の教育庁が、学校再開のガイドラインを出している。BSDもおそらく、教育庁のガイドラインに従って計画していると思われる。
教育庁としては、このガイダンスに従って開校の準備ができれば、対面授業の道も開けるだろう、と言っている。ただもちろん、状況は流動的なので、秋の開校が保証できるとは言えないけれど、これは一つの筋道にはなりうるだろう、ということである。

ガイドラインの詳細はPDFの方に書かれているんだけど、でもこれきっと大変だろうなと思う。学校側の負担は大きいだろう。もちろん子供も。
遠足なんてもちろんないし、アクティビティもマスクを外さなければできないようなもの(合唱とか)はしばらく中止、机は極力離して、一クラスに入る人数も制限、天気とスペースさえ許せば、なるべく外で過ごすように、スクールバスもなるべく使わず、バスは使ったら毎回消毒する…等々、とても一筋縄ではいかないような内容である。人もお金もかかる。

しかし、アメリカの何がいいって、何か情報を出す時、必ず責任者の名前を出すことですね。責任の所在がはっきりしていて気持ちがいいです。

子供に協力してもらっている

そんな時に、沖縄の高山先生のお話を読んで、うーんと考えさせられてしまった。(高山先生は、あのダイヤモンドプリンセス号の件で一躍脚光を浴びた医師。)
高山義浩医師の facebook
「子供たちにとってリスクの高い感染症ではありません。子供たちが持ち込んだ感染症でもありません。大人たちを守るために、子供たちに協力してもらうことを忘れてはなりません。子供たちに学校を休ませながら、一方で、大人たちがゴルフだ飲み会だと楽しむとすれば本末転倒です。それなりの覚悟で大人たちも取り組むべきです。そして、今回の休校措置のあいだに、学校を閉じなくてもよい方法をみつけましょう」

(中略)

私たちの国は、若い世代にツケを払わせながら高齢者を支えてきました。財政とのバランスを欠いた手厚い年金、高齢者負担を極端に減免した医療・・・。あれこれ言うつもりありませんが、高齢者を感染症から守るためにと、子供たちの未来を奪うことはやめましょう。もっと、直接的に高齢者を守る方法をとるべきです。
なかなかの角度の意見である。
休校させているからには大人が楽しむのはどうかと思う、というのはまあちょっとアレかなーとは思ったけれど、「大人たちを守るために、子供たちに協力してもらう」という意識が全然なかったので、「!」となった。

やっぱり人間なので「感染したくない」「自分が感染源になりたくない」と思うのは当然である。子供にも感染させたくないし、だから学校や集団活動に子供を放り込むことには消極的になってしまう。でも、実際には子供で重症化した症例はない。それから考えると、子供の重症化リスクと健全な成長を妨げるリスクを天秤にかけた時、後者の方がより高いということになる。とはいえ、感染してもいいから学校行こう、とはならないんだけど…

子供を大人の犠牲にしないで

私が情報に疎くて気づいていなかっただけなんだけど、子供が犠牲になっているの辛い、という話はずいぶん出ていたみたいだ。
本当に、まったくおっしゃる通りです。
オットが嬉々としてゴルフに出かけていくたびに、子供がこんなに我慢しているのに、自分はゴルフかよ、と思ってしまう。まあでも、自分の健康維持も大事なので、特に止めはしないけど。

学校再開にあたって、子供たちにフェイスシールド使用させる話もあったみたいですね。
大阪小児科医会からの提言「学校でのフェイスシールド使用、ちょっと待ってください」のポスター作成にあたって | 大阪小児科医会

自治体がこういう話を出す前に、専門家に意見を求めたりしないんだろうか?
どこかで「不安解消のためだけに公費を使わないでほしい」という意見を読んだんだけど、ただただ不安だから、その不安を解消するためだけに意味のない施策をするのはだれも得をしない。当事者である子供たちが被害を受けるだけである。

おそらく、メディアも悪くて、「正しく恐れる」ための知識や情報を流していない。ただ不安をあおることしかしていないので、その結果が「保護者を安心させるためにフェイスシールド」みたいな発想を生んでしまうんだろう。

かの国の首長だって逆の意味でひどいもの…最近の傍若無人ぶりは、狂気すら感じるよね。

学校再開の難しさ

その点、ベルビュー学区はCDCや州知事の方針を見ながらどうやって学校再開していくか協議しているようなので、まだ信用できるような気がする(けど、実際どうなのかわからない…)

キング郡もとうとうフェイズ2に入って、一気に気持ちも緩むんじゃないかという気がする。私も何となく嬉しかったし。特に生活変わらないけれど。すでに交通量も増えてきたような気がするし、公園も人がわさわさいるし。

クローズするより、再開する方が難しいですよね。
子供はもちろん学校に行かせるべきだと思いつつ、まだ踏ん切り付かない気持ちの方が大きくて、そう思ってしまう自分が子供に申し訳ないというか…毎日その辺のせめぎあいである。

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