最近、テレビにもゲイの方が出るようになって、昔に比べれば差別意識は低くなったような気もするけど、実際にはまだまだ壁があるんだろう。みんな違和感を感じるから、このレインボーフラッグのあるこの街に集まってくるんだろう。LGBTの人たちにとっては、やっぱりこの街が住みやすいからなんだろう。
トロント在住のキャシーさんのこの記事が、私の中では一番わかりやすい。
フェアな社会とは何か?平等と特権と差別をもう一度考える。 | トロントのハッテン車窓から
私たちが泊まったホテルでも、やっぱり同性カップルを何組も見た。
それから、私の意識からすっかり飛んでしまっていて、はっとしたんだけど、中にはお子さんが、しかも複数いらっしゃるカップルもたくさんいらした。
同性カップルだって、子供を持てるのだ。
そしてそこには同じように、自分が子供の世話でてんてこ舞いしているというのに、パートナーがずっとスマホいじってソファでゴロゴロしていて頭にくる、とかいう愚痴も展開されるんだろう。
なんていうか、ダイバーシティ、と一口に言ってもたくさん切り口があって、自分が知らなかったり接触が少なかったりすると、気づかないことってたくさんある。そして、気づかずにちょっとずつ差別的な発言をしたりすることもあるかもしれない。そしてそれは、知らなかったではすまされない。
だから、こういう街で当たり前にそういう家族を目にして育ってきたら、それだけで他より少し感覚が豊かになるんじゃないだろうかと思ったりした。
白人至上主義という考え方がどう社会の中で機能し、それがどう私たちを影響するのかを話しているのに、それを「白人=加害者・有色人種=被害者」という話に簡略化されて受け止められると非常に残念。性差別、ホモフォビアなどもそうだが、こうした社会問題は善悪ではなく、問題解決に注目してほしい。— キャシー (@torontogay69) 2017年4月21日
「女性は家事育児をするべき」という考え方は男性だけではなく、他の女性も持ち得る。仕事の面接で、女性の面接官が育児休暇のコストを考慮して意図的に女性を雇わないという例も多々ある。だから、性差別という社会に根付いた問題を「男性=加害者・女性=被害者」と簡略化して語るのはナンセンス。— キャシー (@torontogay69) 2017年4月21日
初めて会う人が男性である私にデフォルトで「彼女はいるの?」と聞いてくるのは「ストレートが普通で、他のセクシュアリティを考慮する必要はない」という考え方が社会に根付いているからである。そこで個人を責めたところでその質問の背景にある問題を解決するわけではない。もちろん、訂正はするが。— キャシー (@torontogay69) 2017年4月21日
人間=ストレート前提な質問を繰り返し聞かれれば、その度にゲイである自分の存在を否定された気分になる。カナダ生まれなのに、有色人種=移民前提な質問を日々聞かれる人たちの悩みと似ている。些細な否定が積み重なって大きなダメージになる。これはMicroaggressionと呼ばれる。 https://t.co/6RjeDHA39b— キャシー (@torontogay69) 2017年4月21日
渡米前に働いていた会社で、ダイバーシティに関するワークショップがあって、その時にお話ししてくださったパネリストの方の話がとても面白かった。一見無害とも思えてしまう些細な気に触る言葉や行動はマイクロ・アグレッションと呼ばれる。加害者の方が無意識のうちにしてしまうことも多いし、被害者が不快に感じても説明しにくい。だから厄介。それを蚊に例えたこの動画がわかりやすい。#英語よhttps://t.co/mFGFkAx3W6— キャシー (@torontogay69) 2017年4月21日
女性が管理職になれないのは能力がないからとかすぐヒステリー起こすとか産休育休取るから長期で登用できないとかいろいろ言われるけれど、取りあえず登用してみなさい、と人事と戦ってきたそうである。
彼女曰く「上に立たないと見えない世界があるから」ということであった。
男性の場合、たとえば喫煙室だったり退社後の居酒屋だったりで上司と接触する時間が同じ職級の女性と比べると多いのだそうである(それ自体がいいか悪いかはともかく)。女性はそもそも誘ってもらえないし、そういうスモールチャットにもくわえてもらえない。情報が足りないから、結局オフィシャルなミーティングで聞く話はすべて初耳、そこであれこれ意見を言おうものなら「こんな場所でその物言いはかわいげがない」などと言われてしまう。
こういう小さな積み重ねが、女性の管理職登用の機会をどんどん奪っていくのだそうである。
あるいは、小さいうちから「女の子が教養を身に付けても意味がない」とか「学歴が高すぎると嫁にいけない」などと言われ続けていれば、それに対して疑問を持ったりそれを乗り越えてまで学問を身に付けようとするには、男性と比べても壁が高すぎてしまう。
もちろん、男性は男性で「男のくせに甲斐性がない」などといった、逆の差別も生じうる。
たとえば、私も「男性・女性」という側面で見れば劣位である。でも、「学歴」で見れば優位だし、「白人・有色人種」、「健常者・障碍者」等々いろんな切り口があって、立場によって優位・劣位、どちらにもなりうる。私が経験する差別とあなたが経験する差別は同じ名前でも中身は全然違っているかもしれない。自分が経験したからといって相手も経験しているとは限らないし、自分が経験していないからといって相手も経験しないとは限らない。これを忘れちゃうと他の声を無視するようになる。— キャシー (@torontogay69) 2017年4月11日
常に意識していたら、だれとも会話なんてできなくなってしまうけれど、心に一つでもブレーキを持っていることが大事だなと、サンフランシスコの街を歩きながら、なんとなく考えていた。
最初にアメリカに来た時、クラスに様々な人種の子供がいて、様々な言葉をしゃべり、様々な文化を持っている集団に小学生のうちから息子が囲まれて育つのは、とてもいい経験になるんじゃないかと思った。ほぼ同一言語をしゃべるほぼ同一民族の集団の中からは育ちにくいこともたくさんあるし。そこに抵抗がなくなるのは、少しうらやましかったり。
まあでも、実際には、アメリカも「差別」に関してはピリピリしているので、それがアメリカにも差別のある証拠と思ってみている。人間の性なんだろうな。
余談だけど、この「肌色」色鉛筆もすごいと思いませんか?
いつか、レインボーフラッグなんてなくてもいい世界になるといいのにね。実は今は色鉛筆の「肌色」という名称で販売しているものはありません— 御徒町画材・額縁専門店㈱田中金華堂 (@kinkado1905) 2017年4月21日
人種や個人差によって色々な肌の色があり、元の肌色は別の名前がついて販売されています
そして今回入荷したこちらの色鉛筆は世界各国様々な国の子供たちの肌の色を集めた本当の『肌色』色鉛筆セットが入荷しました pic.twitter.com/Ci61y19eWc
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