アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2016/07/08

海外子女の日本語での高等教育

日本に帰ってきて、いろいろ刺激を受けたわけだけれど、その中でも「!」と思ったのは、子供たちの中学受験の話題であった。
上のお子さんが私立に入ったとかいう話を聞いて、うちの息子は関係ないし、と思っていたのだけれど、ふと、今後息子が長くアメリカに住むことになった場合、息子が小学生レベル以上の日本語を獲得できるか、将来ビジネスに耐えうる日本語能力を獲得できるんだろうか、という疑問がわいた。

補習校に通い続けても日本語の維持すら難しいというのに、年齢相応の日本語を獲得し続けることは、かなり努力を必要とするのではないだろうか。
小学生のうちは、こうやって体験入学をすることによって、かなりブラッシュアップできるとしても、中学以降は年齢的に難しい年ごろになっていく。
中でも、中学校で体験入学された方から聞いた、「アメリカ帰りの英語ペラペラな人と話していると目をつけられる、みたいな理由で遠巻きに見られるようになって、日本の学校へ行きたがらなくなった」、という話はかなり衝撃だった。
日本の中学生だったら、十分ありそうなことである。

10歳を過ぎたあたりからは、体験入学なんていう生ぬるいものではなくて、もっと本腰を入れて日本での教育を考えた方がいいのではないか、と考えるようになった。

あくまで私の希望だけれど、アメリカ国籍がない以上、アメリカでの就職、永住にもっとも近い道は、アメリカの大学を卒業することである。本人が希望すれば、ということだけれど。
アメリカでの生活が長くなればなるほど、子供はおそらくアメリカでの生活を希望するようになるだろうし、その流れで行けば、アメリカの大学を卒業、就職、ということになるかもしれない。
ただ、そのまま放置すれば、「日本語が怪しい日本人」となる可能性が高くなる。
就職に耐えうるビジネスで通用する日本語能力がなければ、日本での生活は厳しくなるだろう。
(その前に、本人が日本に住もうとは思わないだろう。)

ここで、中学受験である!

12歳というと、順調にいけば、息子の英語の基礎は出来上がっているはずで、日本の生活が長くなったとしても忘れないだろうと思う。
帰国子女枠で入れる学校もあるし(簡単じゃないだろうけれど)、中高一貫校で日本語での中等教育を受ければ、日本語はかなり身につくだろう。

ただし、こうなった場合、英語は小学生の英語のままである。
会話に不自由ないとしても、小学生の会話レベルでアメリカの高等教育は受けられない。
特にアメリカのハイスクールでは、テーマ→調査→まとめ→発表、みたいなプログラムが増えてきて、それまでのんびり勉強してきた子供たちが目の色を変えて勉強しだす時期のようである。
日米は、文化・教育において対極ともいえるわけで、子供にとっても大きな負担になることだろう。

どこで教育を受けたいか、というのはもちろん本人の意思が一番大事なわけだけれど、それを12, 3歳くらいで決めるのはなかなか難しいだろうなと思う。大人だって悩む。
高校だけは日本で教育を受ける、というのが一番現実的なような気もするけれど...

世の中には、二か国語以上をバランスよく母国語レベルで話せる人ってたくさんいるじゃないですか。
そういう方々は、いったいどのような教育課程を経て、そのレベルに到達されているんでしょうか!
(心の叫び)

***

帰国子女の受験について興味本位ですこーしだけWebで検索してみたところ、市場的にもかなりヒートしているようで、一般受験と同じくらい大変なんじゃないかと思って、そっと閉じた。
中国・韓国もそうだけれど、日本も受験熱はかなり高い。
生半可な気持ちじゃ乗り切れない。
本人が、それらを吹き飛ばすくらい優秀でない限り。

そこまでして日本で受験する必要を感じていないのだけれど、長期的に見たら、日本に戻って受験するのも、選択肢として頭の片隅にとどめて...おく?

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