アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2016/05/06

アメリカ現地校に4月編入する

タイミングを逃してしまって、すでに5月である。
いろいろ思うことがあったので、現地校への4月編入について書きたい。

4月というと、日本では新学期である。新年度である。
だから、3月の終業式を済ませてから渡米される方も多い。
息子の通う現地校にも、4月編入された日本人児童が何人かいらした。

日本語補習校は、日本と同じで4月に新年度が始まるので、こちらはちょうどいい。
問題は現地校である。

現地校は6月末が年度末である。
年度末というと、先生方は新年度の準備などで忙しい。
最後の成績表を付けたり、おそらく先生方自身も評価されることになるだろうし、そのために、クラスで問題がないかということにも目を光らせなくてはならない。
この時期、学校から
「次年度もこの学校に通いますか?通う場合、何か学校側に伝えたいことはありますか?」
といった、質問票のようなものが渡される。
ここで、何か問題が発見された場合、担任の先生は、その問題の解決にも当たらなくてはならない。

PTAとしても、学校への寄付金集めが終盤に差し掛かり、Fundraising のための大きなイベントが予定されたりする。
ここで大金を稼がなくてはならない。

4月に編入すると、いきなり「年度末フィーバー」なところへ放り込まれるので、たぶん、おそらく、いろいろと面食らうんじゃないかと思う。
入っていきなり「寄付して!」とか言われたら、それはたまげますよね...

多くの駐在員を抱える企業の社員であれば、以前から赴任している家族に情報を提供してもらうことはできると思うけれど、孤立したご家族の場合、意味が分からなくて混乱することも多いかもしれない。

それから、お子さんにとってもハードルが高めなようである。
国の東西を問わず、年度末と言えばすでに子供同士で仲のいいグループみたいなものができあがっているし、学校生活もすっかり慣れて落ち着いているし、勉強もそれなりに進んでいて、実際には大したことをやっていなくても、自分だけが取り残されたような気がするかもしれない。
加えて、言語が不自由な場合は、そこにも壁がある。
英語がまったくわからないで入った息子ですら、すでに簡単な英語の本はまあまあ読める程度には成長しているわけで、ELLクラスに入ったとしても、そこでも一番下である。
(息子が得意気に「オレが一番英語できる」と言っていた。)

周りのみんなはすらすら問題を問いているのに(という風にみえる)、自分は宿題もろくにできないし、辛い。

...というような話をちらりと聞いてしまった。

でも、実際には、9月入学より最初のハードルは少し高いけれど、しばらくすればすぐに慣れるし、3か月弱くらいで夏休みに突入である。
新学期が始まってしまえば、どうせクラス替えもするので、人間関係もまた新しく築くことになる。
(いきなりミドルスクールだったりすると、それはまた別の苦労があると思うけれど。)

渡米前というと、渡米してからのことに頭が行きがちで、自分の子供がどうやったらすんなり馴染めるか、など考えがちだけれど、よっぽどのことがなければ、アメリカの方がいろいろな点で柔軟なので(体操服とか絵具とか縦笛とか...買いそろえなくちゃいけないものもないし)、どちらかというと、日本の最後の生活を大事にした方がいいよーと思いました。
アメリカでのことは、アメリカに来てからでも考えることはできる。
どの時期が一番いいということはなくて、結局異文化に放り込まれるのは同じことで、最初はストレスフルであることは間違いないので、それよりは、(もし選択の余地があるのであれば)日本での最後の生活をメインに渡米時期を選ぶ方が、長い目で見ればいいのではないかと思う。

ただ、保護者の立場から言うと、4月に来るとこういうデメリットもあるよ、ということを事前に知っておくくらいはした方がいいかもしれない。
(夏に渡米だと、それはそれで「外はこんなにいい陽気なのに、それに引きかえ私は何を」みたいに病むことがあります。私です...)

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