アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2016/04/21

Star Student Presentation - 自分のことを伝えよう -


息子が今週の「Star Student」となって、クラスで自分のことを発表してきた。
10月からほぼ毎週、クラスのだれかが「Star Student」になって、発表してきたらしいのだけれど、とうとう息子の番がやってきたのだ。
(9月の保護者説明会で一度説明されていたんだけど、当然のようにすっかり忘れていた。)

前週に冒頭の写真のようなプレゼン用のテンプレを渡され、水曜日までに仕上げてくるのだ。
内容は見た通り大したことないんだけど、全員が教室の前に集合して、Star Student は、みんなの前に立ってマイクとペンライトを使って説明する。
最後にクラスメイトからの質問があって、それらに答える。

クラス全員にこういう機会があるっていうのは、いかにもアメリカ的だなぁと思う。
今の小学校はどうかわからないけれど、私が小学生の時、日本の小学校では一人がヒーローになってみんなの前でプレゼンする機会というのはあまりなかったような気がする。どちらかというと、グループ研究がメインで、4~6人くらいのグループで班長を決めて、何やら調査して模造紙にグループ全員で書き込んで、最後に発表、という形だったと記憶している。
しかも、別に個人のプロフィールを発表するわけでもないですしね。

現地校の教室の前の方にはカーペットが敷いてあって、先生がみんなに大事なことを知らせるときなど、カーペットのところに全員が集合して、あぐらをかいて座る。
それはお話を読むときや、Writingで書いたものを発表するときなど、さまざまな場面で使われるわけだけれど、最初から「発表」ありきで教室が作られていることに感心する。

毎日の学習の中で、ちょこちょこ前に呼ばれて、みんなの前でマイクを持って説明する機会が作られている。
アメリカ人だからと言って、DNAの中にお話し好き、発表好き、自己顕示大好き...が組み込まれているわけじゃなくて、小さいころからこういう訓練を受けているからこそなんだなぁと思う。
もちろん、中にはそういうことが苦手な子もたくさんいるだろうけれど、どんなに苦手でも訓練すればある程度までできるようになるだろうし、何しろ場数を踏むことによる「慣れ」も苦手意識を克服する一つの要因になるだろう。

それで、だいぶ前に読んだこちらの記事を思い出した。
東工大生が、ボキャ貧・コミュ障から脱出するには?:日経ビジネスオンライン

元(?)芸人「パックンマックン」のパトリック・ハーランさんが、東工大で講師を務めた時の話。
即興でプレゼンさせたりするような、なかなか厳しい内容だったようだけれど、最後まで受講した生徒たちは最後に素晴らしいスピーチができるようになっていた、という内容である。

池上彰さんと上田紀行さんの対談形式なんだけど、この二人がこんなことを言っている。
上田:そうです。ボキャ貧、なおかつコミュ障と自嘲する東工大生も、「やればできる」んです。やっぱりすごく頭がいいわけですよ。だから、たった8回の授業で、ちゃんとプレゼンができるようになる。
 これまで、彼らがボキャ貧でコミュ障だったのは、教わる場がなかったから、教える先生がいなかったから、どうやって話していいのかわからなかっただけなんですね。

池上:ということは学生が悪いんじゃなくて、日本の教育が悪かったわけですね。こうしたカリキュラムを用意していなかったのだから。アメリカ人じゃないと、かっこいいプレゼンはできない、なんてウソだったわけですね。8回の授業でプレゼン力がついてしまうわけですから。
鎖国時代の日本ならいざしらず、「言葉で声に出して伝える」そして「人に伝わる話し方をする」ことは、異文化で生きていく上では本当に大事になるわけで、この点に関していえば、日本で身に付けるのは今のところ難しいだろうと思う。そもそも大人が教える術を持っていないですものね。
(私も人前での話し方なんて教えられない。そもそも苦手だし。)

***

ところで、息子のプレゼンだけれど、翌日担任の先生からメールが届いた。
大きな声で、とても上手にプレゼンしていました。素晴らしかったです。
本当に英語が上達して、私も彼を誇りに思います。
(英語がわからず)質問に答えられなかったことを残念がっていましたが、今はまったく問題ないと思います。
本当にがんばりました。
9月からもうすぐ丸8ヶ月たつわけだけれど、確かに周りの子たちに比べると、息子は英語の上達がかなり遅いのだけれど、それでもみんなの前で英語でプレゼンできたのは、本当に素晴らしいと思った。
がんばったね!

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