アメリカ西海岸、シアトルのお隣ベルビューにいます

2015/12/14

コンピューターサイエンスの授業

子供が同じ現地校に通っている保護者同士で話題になったサイトがある。
Hour of Code

担任の先生から、「今日はこのサイトを使ってコンピューターサイエンスを学びました。興味があれば、ご家庭でも」という紹介メールが来たからである。
このサイトでは、コーディングの基礎のようなものが学べるようになっている。しかも無料である。
息子が学校から帰ってきて、「家でもやりたい」と張り切っていたので一緒に見てみたのだけれど、確かにアルゴリズムの考え方が盛り込まれていて、簡単なプログラミングと呼んでも良さそうであった。しかも、子どもにとってはゲーム感覚で楽しくできるようになっている。

例えば、上記画像では主人公スティーブが羊の所に行くにはどんな命令が必要なのか考えて、右のワークスペースに命令のブロックを置く。
[実行]ボタンでスティーブが羊までたどり着ければゴールである。
途中、Loop文やIf文も出てくる。
私は2000年代にプログラマーとして散々コードを書いていたので、子どもがこんな風に学べるのは素晴らしいと思った。アルゴリズムってなかなか難しいもの。
息子が働くようになるころは、英語と日本語ともう一言語できて、さらにプログラミング言語を何かマスターしていることが必要になるんじゃないかと思っている。別にIT業界に就職しなかったとしても。

で、やはり、特筆すべきは「学校の授業としてこのサイトを生徒に紹介する」ということじゃないかと思う。
アメリカは、小学生でも学年が上がるにつれてWebで宿題を提出するようになるし、それに伴って、タイピングの授業もあるようである。

***

舞田敏彦先生が書かれているブログ、「データえっせい」は大変興味深いので、よく参考にさせていただいている。
先生の記事の中でも、日本の学生のパソコンスキルについて書かれている記事がいくつかある。
日本の学生のパソコンスキルは、先進国で最低レベル | ビジネス | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
データえっせい: 教育のICT化の国際比較
データえっせい: パソコンを持たない若者

こちらは先生が寄稿された記事ではないのだけれど、関連記事としてピックアップ。
若者のキーボード離れ加速 レポート・卒論でフリック入力も│NEWSポストセブン

日本は素晴らしいこともたくさんあるのだけれど、デジタル関連に関しては、ガラパゴス化する傾向があるみたいだ。
卒論をスマホでタイプ(というかフリック入力)する人がいるというのも驚きだった。
舞田先生の記事の中にも
高度情報社会を生き抜く上で,情報を収集する,データを分析する,文章を書く,それを発信するというのは必須のスキル
という一文があったのだけれど、まったくその通りだと思う。
息子の小学校の担任の先生もパワポで資料出してくるくらいだから、これはIT関連の仕事をするしないにかかわらず、とても大事なスキルだと思う。

日本の小学校でとにかく一番びっくりしたのは、学校との連絡は基本的に連絡帳でお願いします、というものである。
登校途中の生徒に連絡帳を託して学校へ持っていってもらってください、と言われた。電話すらできない。
どうしてここまで頑なにアナログを通すのかはわからないのだけれど、日本の教育界の問題はかなり根深いのだろうなということだけはよくわかった。

2 件のコメント:

  1. そうそう。ちょっと前に日本の大学生でパソコンが使えない人がいるっての読んで驚愕しましたよ。スマホで足りてるからって…アジアどころか世界でサイテーレベルでしょうね。多分先生が使えないのでそういうことに?現場も危機感なし?

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  2. 陸太太さん、

    そうですよねー、悪循環だと思います。
    若者が使えないっていうことは、これから就職する人々が使えないわけですよね。教職に就く人も、教えることができないわけで。その前に、これまでの教育課程で必要性を感じてこなかったということですよね…
    日本は好きだし、あれだけ熱心に教育してくれるのに、コンピューターや外国語など、新しい教科の取り入れ方がうまくいかないのはキツイと思います。その点、アメリカは良くも悪くも適当だから、逆にうまく機能しているのかなと思ったり。

    たまこ拝

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