今年の始め、息子が英検準1級をした。海外で。アメリカで。
勉強方法やおすすめテキストなどは、情報があふれているので、私からは
数少ない海外の受験会場で英検を受検するには?
という話を書こうと思う。
なぜ海外で英検を?
しごく当然の疑問である。
息子がいまだに日本が大好きで、それだけでなくて、日本語の方が自分を表現できるということで、周りが日本での高校受験を考え始めた話を聞いたりしているうちに、
「オレも日本の高校に行きたい」
と言い出したことが発端である。
ここで「またバカのことを」と否定するのは簡単なんだけど、本人だって好きでアメリカに来たわけではないし、ここはいったん、息子の意見を受け止めることにする。選択肢も多いに越したことはない。
夢を語るのは自由だが、夢を現実にするのは大変である。まずは情報を集めなくてはならない。
帰国子女受験に力を入れている塾などはたくさんあるので、そういうところに片っ端から連絡をして、面談の予約を入れた。こういうことは、Webであれこれ探すよりも聞いた方が断然早いし情報も新鮮である。情報は鮮度が大事なのだ。
そこから得た情報としては(受験勉強以外に必要なこととして)
- 英検準1級以上は必要
もしレベルの高い学校を狙うなら、できれば1級、そうでなければ準1級でも点数が上の方 - 漢検3級もあると有利
漢検は補習校で受けさせてもらえるので、受検へのハードルは低いが、英検に関しては一番近くても LA に行く必要がある。近いと言っても車で数時間とかいうレベルですらない。飛行機に乗らねばならない。
今のところ、「高校受験めんどくせー」とか言い出しているので、日本に帰国する可能性はかなり低くなってしまったんだけど、資格試験自体は一生ものなので、本人もやる気になり(マウントも取れる)、この間、とうとう合格証明書も家に届いた。
がんばった。えらい。
まずは受検申込
英検の海外会場はこちら。
見てわかる通り、4か所しかない。世界で4か所だけである。しかも、そのうち3ヶ所はアメリカ(ハワイ含む)である。中国やシンガポール辺りにいる人であれば、日本に一時帰国して受検できなくもないとは思うけど、需要と供給からすると、アメリカでの需要が一番多かったということなんだろう。
会場ごとに申し込まなくてはいけないので、ロサンゼルス会場のページから申し込む。
英検・ロサンゼルス受験会場 | インターネットでお申し込み
※国内用と違うので注意。
受験料$140. 安くない。日本で受ければ 9,800円。
受検当日の受付
受検日の5日くらい前に、メールで受検票が届く。
私はてっきり受検票が郵送で送られてくるのだとばかり思っていたので焦ったんだけど、郵送コストの削減なのか、届かないケースを想定したことなのか、メールでの簡易的なものになっているようである。
メールを印刷して、それに本人の顔写真を貼り付ける。
これが正式な受検票になる。
2次試験でもこの受検票は必要となるので、なくさず保管する。
受検票は印刷したものしか認められない。スマホ等でスクショの提示はNG.
日本のガイドラインに沿っているらしく、最近ではほとんど見られない「ヘルスチェック」の記入も求められた。
受検当日の朝、オンラインで簡単な質問(熱があるか、咳は出るか、など)に答えて送信すると、「ありがとうございました」という画面が現れて、そのスクショを受け付けで見せる。
スクショ |
準一級は午前中だった。早めにホテルを出たつもりだったんだけど、会場に着くとすでに行列ができていた。
会場となったホテルの入口 |
ヘルスチェックをする受付、本人確認と受験票を確認する受付、と何か所かあった。
本人確認にはパスポートを使った。見せた後、受付の方が「もう使いませんので、保護者様が持っていてください」と親切に言ってくださった。ありがとうございます。
長蛇の列(しかも密) わりとするする進んだ |
13歳未満のお子さんは、保護者との待ち合わせの部屋まで試験終了後に連れて行ってくれるということだったんだけど、うちの息子はそれより大きかったので、勝手にどうぞおかえりください、という感じだった。
受付場所近くに保護者待合室があって、試験終了前30分くらいをここで過ごさせてもらった(ウォーターサーバーが置いてあって、ありがたかったです)。
試験中~後
始まる前に、スマホを出させて、電源を切るところまで確認されたらしい。息子はビビりなので、試験前に、電源の切り方の練習していた。アラーム付きの時計は禁止されている。
その他持ち物については、下記ページの下の方に細かく書かれている。すごく細かい。
試験終了後は、13歳以上の受検者はそのまま解散となり、その場で息子はスマホの電源を入れて、私と落ち合ってホテルを後にした。
駐車場
一次の会場はロングビーチ沿いのホテル。
Renaissance Long Beach Hotel
111 E. Ocean Blvd. Long Beach, California, 90802 US
ホテルの駐車場に停められるみたいなんだけど、お金がかかる。
スタッフの方が受付で、「駐車券お持ちの方はこちらまで!駐車料金が$16になります!」とアナウンスしていた。
私たちは会場から徒歩10分くらいのホテルに泊まったので、車は使わなかった。
準一級は午前中だったので、息子を受験会場まで送り届けた後、ランチできそうな場所を物色しながらホテルに戻り、部屋の荷物をまとめてチェックアウトまでのんびりして過ごした。一級は午後が試験なので、車がないとカフェなどで時間をつぶすしかないかもしれない。
ホテルのラウンジ(カフェ?)でパソコン作業をされている保護者らしき人もたくさん見かけた。
ちなみに、ランチできそうな場所を探したんだけど、鉄格子があるお店が結構あって、昼間で明るかったけどちょっと怖かったので、空港でランチを食べた。ちゃんと調べてから行ったら、もしかしたら美味しいレストランがあったかもしれない。
試験問題について
試験日時が違うため、日本国内の問題と海外の問題は違うらしい。早く終わった方の試験問題が流出することを防止しているためだと思われる。
時差があるので、日本と同じ時間に試験をするのは当たり前だけど難しい。
ちなみに、息子の話によると、リスニング試験は過去問として提供されている音源よりも、早い上にプロのナレーターを使っていないのか、それほど明瞭な発音じゃなかったらしい。
息子は聞き取りづらかった、とおかんむりだった。別にふつうに英語に問題のない人にとってはどんな英語だろうと問題ないんだろうけど。もし息子の話が本当なら、この辺は少しハンデかもしれない。
試験結果
約2週間後に英ナビで確認できる。
英検 合否結果閲覧サービス | 英ナビ!
※英検・ロサンゼルス受験会場 | 英検お申し込み の下の方に、英ナビについての案内も書いてある。
試験結果・各種証明 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
※英ナビの方が少し早く結果が出る。
後日(うちの場合は二次試験が終わった後)、日本から一次試験結果がわざわざ郵送で届いた。
各設問ごとに正誤が載っているので、どれが間違っていたか確認できる。問題用紙はもらえない上、海外の問題は日本国内の問題と異なるので、確認しようがない(たぶん)。
息子はリスニングが全然自信なかったと帰ってきたんだけど(上記の通り)、意外や意外、中でも最も自信がないと言っていた Part3 が3問正解していて「奇跡だ」と言っていた。合格したのはこの奇跡のおかげと言っても過言ではない。
3つの技能(リーディング・リスニング・ライティング)の中では特にライティングが非常に良かった。ふだんから現地校で散々英文を書いてきているし、そもそも作文はふだんから得意らしいので(本人談)、ここでかなり稼げたんじゃないかと思う。
ちなみに、一次試験の合格は1年間有効である。
英検・ロサンゼルス受験会場 | 英検お申し込み (真ん中あたりの [一次試験免除について] 参照)
せめて一次だけでも受かっておくと、たとえ二次で落ちても、その後一年間は二次試験の準備だけすればいいので、楽だと思う。申し込み時の申告のみ有効らしいので、それだけ忘れないように。
一次試験向けアプリ等
ちなみに、息子が「絶対に嫌だ」と言って譲らなかったので、家で過去問を解くだけで、誰かに教えてもらったとかいったことは全くなく、すべて独学で何とかなった。ライティングくらいみてもらえば、と言ったんだけど、それも無視された。
なので、息子の勉強方法はまったく参考にならないと思う…
Chrome の Extension(拡張機能)に Grammarly というのがあるんだけど(現地校で使っているらしい)、文法やスペリングミスは致命的と聞いていたので、これでちょこっとチェックした。内容は日本語で説明させて、何となくそれっぽい感じになっていたら、それでいいことにした。
単語が一番重要と聞いていたので、単語だけは「でる単」というアプリを使った。課金したけど、1,000円払うだけで、試験のたびにアップデートしてくれて、めちゃめちゃお得。
英検®︎準1級 でた単 - Google Play のアプリ
おまけ
日本語のサインがたくさんあって、ホテルのふつうのお客さんがちょっと引いていた(笑)
泊まったホテルでも、受付で「この辺で何かあるの?日本人があなたで4組目なんです」と聞かれた(笑)
次回、二次試験について。
(続きます…)
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